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【小宮良之の日本サッカー兵法書】選手と監督の信頼関係とはスタジアムで生まれるものではない!

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年08月10日

響く言葉は、名言集では得られない

選手も監督も、普段からの積み重ねが大事。それがあって初めて、監督の言葉も活きてくる。写真はC大阪のユン監督。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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<監督のマネジメント>
 
 それは勝負を左右する要素として語られる。

 今季のJリーグ、首位を走るセレッソ大阪のユン・ジョンファン監督は、マネジメント力に長ける指揮官だろう。

「ユンさんは、モチベーションを上げるのがうまい。言葉のチョイスというか。タイミングも良くて」
 
 選手からは、感嘆の声が漏れる。瞠目すべき人心掌握力。言葉をいかに操れるか。それはリーダーとして、どんな職業にも求められる才能だろう。
 
 しかし、同じ言葉でも、全く響かないこともある。
 
「あの監督、うまいこといったつもりかよ」
 
 鼻白む者もいる。選手は少年に近い純真さを持っており、“作り物”の言葉に心を動かされず、むしろ反感のようなものを抱く。つまらないことを言う教師への反発に似ているだろう。
 
 では、生きた言葉とは何か?
 
 結局のところ、選手が見ているのは「監督としての生き様」である。日々、真剣に生きているのか。公平に人に接し、集団を強くするために力を尽くしているのか。自らを律し、勝利するために全てを擲(なげう)っているか。
 
 選手は純粋なだけに、それらを感じ取れるアンテナを持っている。選手は、心から認めたリーダーには、ある種の眩しさを感じる。そうやって、「この人を男にしてやろうじゃないか」という気運が生まれるのだ。
 
 響く言葉は、名言集では得られない。
 
「自分が迷っていたような箇所をずばり指摘され、建設的なアドバイスももらえた」
 
 選手はそう言って、顔を輝かせる。自分のプレーを正しく見てもらえている。それを、選手は第一にする。どれだけ褒められても、その指摘が的を射ていなかったら、心には届かない。
 
「あの監督、分かってないなぁ…」
 
 むしろ、関係に溝ができてしまう。
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