ネイマールが大幅更新! 移籍金最高記録は20年間で「10倍増」に!!

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年08月04日

ヴィアッリの21億円から驚愕の284億円へ!

かつてはほんの限られた存在だけが十億円単位の金を動かすことができたが、それがスタンダードな額となり、今やスターを獲得するには天文学的な資金が必要である。もっとも、それでも今回の移籍は特別過ぎるが……。 (C) REUTERS/AFLO

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昨夏、古巣への復帰で最高記録を更新したポグバ。常に移籍金のことが話題になることを煩わしく思っていたようだが、ネイマールのおかげで喧騒は収まりそうだ。 (C) Getty Images

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 8月3日(現地時間)、ネイマールのバルセロナからパリ・サンジェルマンへの移籍が発表された。バルサが設定していた契約解除金2億2200万ユーロ(約284億円)をパリSG支払うことを受け入れ、世紀のメガディールが現実のものとなったのである。

 
 昨夏、ポール・ポグバがユベントスからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍する際、1億500万ユーロ(約134億円)という史上最高額の金が動き、大きな話題となったものだが、それもあっさりと、しかも倍額で更新されてしまった。
 
 年代によって貨幣価値は変わり、物価の上昇などもあるので、物の値段が時とともに上がっていくのは世の常であるが、それにしてもサッカー界における選手の「価格」の変動ぶりは凄まじいばかりである。
 
 サッカー界の歴史を振り返ると、古くはアルフレッド・ディ・ステファノが1953年にリーベルからレアル・マドリーに移籍した際、ユーロ換算で21万7000ユーロ(現在のレートで約2800万円)の移籍金が発生したが、これは当時では破格の金額だった。
 
 70年代、ヨハン・クライフのバルサに加入した際、アヤックスに支払われたのは200万ユーロ(約2億6000万円)。そして80年代に入ると、ディエゴ・マラドーナが82年(ボカ→バルセロナ)に800万ユーロ(約10億円)、84年(バルサ→ナポリ)に1300万ユーロ(約17億円)と、続けて最高額記録を更新した。
 
 80年代以降は、隆盛を極めていたセリエAが金満ミランを筆頭に大枚をはたいて選手を獲得し、さらに90年代に入ってテレビ放映権料が欧州主要リーグのクラブの財政を一気に潤した結果、それまでとは次元の異なるような大金が大陸間で飛び交うようになった。
 
 下記は、90年代からの記録更新案件の一覧である。92年、ジャンルカ・ヴィアッリが約21億円で移籍した際、ミランはこれに近い額でジャン=ピエール・パパン、ジャンルイジ・レンティーニを獲得したが、イタリアでは「狂気の沙汰」として非難が巻き起こり、バチカンまでが抗議の声明を出したほどである。
 
 無謀な補強で多くのクラブが財政破綻に追い込まれたりしたのも、90年代に入ってから。イタリアではクラブの粉飾決算が次々と明るみとなるなど、サッカー界は明らかに健全性を失っていった。
 
 その後、オイルマネー、中国マネーも参戦。UEFAはファイナンシャル・フェアプレー(FFP)を設けたりもしたが、それでも莫大な放映権料による収入が保証されるプレミアリーグを筆頭に選手の高値での取引は続き、ついにはひとりの選手に1億ユーロ超が費やされる時代が到来した。そして今回……。
 
 ネイマールのメガディールにより、移籍金のさらなる高騰を懸念する声も多く、リバプールのユルゲン・クロップ監督は「これは例外であってほしい」と語っているが、果たしてこの驚異の最高額が更新される日は近い将来、やって来るだろうか。
 
◎移籍金最高記録の変遷(90年代以降)
◇1992年
1650万ユーロ(約21億円)
ジャンルカ・ヴィアッリ(FW/イタリア)
サンプドリア→ユベントス
 
◇1996年
2100万ユーロ(約27億円)
アラン・シアラー(FW/イングランド)
ブラックバーン→ニューカッスル
 
◇1997年
2800万ユーロ(約36億円)
ロナウド(FW/ブラジル)
バルセロナ→インテル
 
◇1998年
3150万ユーロ(約40億円)
デニウソン(MF/ブラジル)
サンパウロ→ベティス
 
◇1999年
4648万ユーロ(約59億円)
クリスティアン・ヴィエリ(FW/イタリア)
ラツィオ→インテル
 
◇2000年
6000万ユーロ(約77億円)
ルイス・フィーゴ(FW/ポルトガル)
バルセロナ→レアル・マドリー
 
◇2001年
7350万ユーロ(約94億円)
ジネディーヌ・ジダン(MF/フランス)
ユベントス→レアル・マドリー
 
◇2009年
9400万ユーロ(約120億円)
クリスチアーノ・ロナウド(FW/ポルトガル)
マンチェスター・ユナイテッド→レアル・マドリー
 
◇2013年
1億100万ユーロ(約129億円)
ガレス・ベイル(FW/ウェールズ)
トッテナム→レアル・マドリー
 
◇2016年
1億500万ユーロ(約134億円)
ポール・ポグバ(MF/フランス)
ユベントス→マンチェスター・ユナイテッド
 
◇2017年
2億2200万ユーロ(約284億円)
ネイマール(FW/ブラジル)

バルセロナ→パリ・サンジェルマン
 
※移籍金額は「transfermarkt」による。1ユーロ=128円で換算

09年に9400万ユーロ(約120億円)でマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリーに移籍したクリスチアーノ・ロナウド。マドリーが凄いのは、カカまで獲得したことだ。2人合わせて1億5900万ユーロ(約200億円)! (C) Getty Images

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73年のクライフ(中央)の移籍金は200万ユーロ、96年のシアラーは2100万ユーロ、そして2017年、ネイマールは2億2200万ユーロ――。奇遇にも、約20年ごとに移籍金最高額は10倍に増加している。 (C) Getty Images

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