たった1本のシュートで連覇を手繰り寄せた久保建英「今日だけは喜びに浸っていたい」

カテゴリ:高校・ユース・その他

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年08月03日

「昨年から小林選手とは良い関係を築けている」

小林からのパスを受けると、慌てることなくシュート。この日、久保にとって唯一のシュートが決勝弾となった。写真:田中研治

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[日本クラブユース選手権(U-18)決勝]FC東京U-18 2-0 浦和ユース/8月2日(水)/味フィ西
 
 たった1本だった。公式記録に記されているシュート数「前半0、後半1、計1」という数字。79分にFC東京U-18の久保建英が、この試合で自身唯一となったシュートを放った。それがゴールネットを揺らし、チームの大会連覇を引き寄せた。
 
「昨年に続いて2年連続で、ある意味でホームと呼べる西が丘(味の素フィールド西が丘)で優勝できたことはとても嬉しいです。
 
 小林(幹)選手からノールックで良いパスが出てきたので、突いて、流し込むだけでした。昨年から小林選手とは良い関係を築けていて、自分がパスして決めてもらったり、逆だったりというのが今まで何本もありました。(ボールが)出てくるだろうな、と信じていました」
 
 だが、この一撃は難産だった。パスを回す、全員が動く、崩す、シュートを打つ。チャンスは前半からいくつも作った。スタンドを沸かすような決定機も多かった。それでもゴールが割れない。
 
 最終的にチームとして16本のシュートを浦和ユースに浴びせるわけだが、前半だけでその数は9本(浦和は前後半ともに3本の計6本)。「いつか入るだろう」という雰囲気は、「外し続けたら相手に流れがいくのではないか」というプレッシャーとなって圧し掛かる。
 
 それを作り出していたのが浦和ユースの高いインテンシティ、寄せの激しさ、切れない集中力、全員が最後まで身体を張り続ける姿勢だった。久保は振り返る。
 
「最初から仕掛けていこうというイメージを持っていたんですけど、前半はひとり抜いたあとに余裕ができてしまった。そこでスピードを上げきれなかったり、橋岡(大樹)選手に身体を入れられていました」
 
 こうした流れを経て「スペースが生まれたらスピードに乗って侵入しよう」と決めて臨んだ後半も、決して上手く事が運んだわけではない。ハマっていた守備を外されるシーンが増加するようになり、むしろ浦和ユースの攻勢が目立った。
 
 だからこそ、久保の先制弾には価値がある。「77分に嫌な位置で相手のFKがあった。そういう苦しい時間帯に決められた。それに残り時間が少ないなかでゴールできたというのは、勝ちに近付いたということでもあります。その分、喜びが大きかった」
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