【総体】フットボールIQがマジでスゴい! 青森山田・郷家友太はやっぱり“怪物”だった

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年07月30日

敵のエースを封じ込め、鮮やかに3点目を奪取!

充実の一途を辿る郷家。今年の高校サッカー界をリードする「東の横綱」だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 公式発表は「3,000人」。だが実際は、4,000人近くいただろう。
 
 7月30日の全国高校総体(インターハイ)2回戦。大会屈指の好カードである青森山田vs東福岡の一戦は、小さなスタジアムの収容能力を大幅に上回る大観衆で埋めつくされた。
 
 インターハイでは、たいてい記者席など用意されていない。行き場所を失なったわたしはバックスタンドの芝生席で、中・高生やご父兄にまじって戦況を眺めた。
 
 そんな実力伯仲の大一番で異彩を放ったのが、青森山田の10番だ。昨年度のチャンピンシップ&選手権の2冠奪取に多大な貢献を果たし、U-18日本代表の主軸としても活躍するスーパーMF郷家友太。この日は名将・黒田剛監督から、特別なミッションを与えられていた。
 
「相手の10番(福田湧矢)を潰す。それが僕にとってのこの試合のテーマです。しっかり抑える、封じ込めるところからゲームに入りました」
 
 9節を終えて中断期に入ったプレミアリーグEASTでは7得点を挙げ、ゴールランキングで首位タイに付けている。春先から攻撃の中軸としてパス&得点センスをフル稼働させてきた男が、インターハイ初戦の大事なゲームで、守備の重要なタスクを託されたのだ。しかも、満点に近いパフォーマンスを披露したのだから、唸るしかない。

 万能型MFの面目躍如だ。
 
「ビデオでちゃんと研究して、対処法を頭に叩き込んできました。ゴール前に上手く入っていって得点に絡んでくる。それをさせなかったんで、自分としては仕事ができたのかなと思います」
 
 序盤から中盤の主導権を握ったのは青森山田だった。4-2-3-1システムで2ボランチの一角を担い、中央にどしりと居座った郷家。東福岡の攻撃の軸である福田をケアするだけでなく、良質なフィルターとしてピンチの芽をことごとく摘み、守→攻の切り替えも高次元に遂行した。
 
 盤石の守備でリズムを掴んだ2冠王者は前半27分、MF浦川流樺の落としにMF田中凌汰が抜け出し、先制に成功。その後も効果的なカウンターを仕掛けては東福岡を揺さぶり、危なげなくゲームを支配し続けた。後半9分には浦川が鮮やかなハーフボレーを突き刺してリードを広げ、“赤い彗星”を追い詰めていく。
 
 しかし、2年前の夏の王者も負けてはいない。ここからの粘りが圧巻だった。右サイドを軸に反攻に打って出て、後半27分にはMF青木真生都のミドルがディフレクトしてゴールイン。青森山田の黒田監督が「1メートル寄せないとこうなるんだということが、よく分かったと思う」と、反省を促したシーンだ。

 CB阿部海大を前線に押し上げてパワープレーを仕掛けてくる東福岡。そんなスリリングな状況にあった後半アディショナルタイム、郷家がスーパープレーで大観衆を沸かせる。
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