"不勝"神話から"不敗"神話へ。ようやく目覚めた押谷祐樹から目が離せない

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年07月18日

押谷はとにかく、ここまで不遇をかこっていた。

ようやく今季初ゴールを決めた押谷。ここから得点量産なるか。(C)SOCCER DIGEST

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 誰が呼んだか“不敗神話”ならぬ“不勝神話”。今季名古屋に移籍してきた押谷祐樹が頂戴していた、何とも嫌なジンクスである。
 
 何しろ今年のJ2リーグで、名古屋は押谷がスタメン出場した試合でことごとく敗れ去ってきたのだ。3節のアウェー千葉戦で今季初黒星を喫したのを皮切りに、9節ホーム山口戦でも前回同様の0-2負け。13節アウェー大分戦では今季最多の4失点を喰らう惨敗に「どうして俺がスタメンの試合でこうなるんですかね……」とうなだれた。自宅に本人からもらったユニホームが飾ってある憧れの佐藤寿人と2トップを組んでの試合だっただけに、その落ち込みようは半端なかった。
 
 極め付きは19節のアウェー福岡戦で、“4度目の正直”とばかりに意気込んだものの、59分に悪質なタックルとの判定でレッドカードを提示され、納得いかない表情でピッチを去った。

 その直後の天皇杯ではアマチュアのSRC広島を相手にスタメンで得点、勝利で少しだけ溜飲を下げたが、依然としてリーグ戦で先発出場すると勝てず、またチームのFW登録選手で唯一得点がない(負傷中の松本孝平は除く)という点取り屋を焦らせる状況もまた続いていた。押谷はとにかく、ここまで不遇をかこっていた。
 その彼が、やってのけた。リーグ戦連敗中で順位も7位にまで後退して臨んだ山形とのホームゲームで、押谷は件の福岡戦以来のスタメン出場を果たすと、序盤から精力的に攻守に奮闘。プレスバックを得意科目とするストライカーは、4-2-3-1のサイドハーフでその持ち味をまずは発揮した。
 
 序盤は山形のハイプレスに応対して低めのポジション取りが目立ったが、29分に前述の通り尊敬する佐藤のクロスを頭で叩き込み、劣勢のなか貴重な先制点をマーク。リーグ戦未得点のハードルを飛び越えると、まるで呪縛から解き放たれたかのようにその後も躍動した。点取り屋は得点で大きく変わるとはこの世界に伝わる真理のひとつだが、押谷もまた御託に漏れなかったということか。
 
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