【セルジオ越後】中西氏の“辞任”は、少し違うのではないかという思いもある

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月29日

組織としては毅然とした態度でクビにすべきではなかったのか。

女性職員への不適切な言動が認められて退任した中西氏(写真は2013年のもの)。パワハラやセクハラは一般企業でも問題視されていて、当然ながら、あってはいけないことだ。(C)SOCCER DIGEST

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 Jリーグの中西常務理事が、セクハラやパワハラに該当する不適切な言動によって、退任が発表されたね。
 
 Jリーグでは「ナンバー3」という位置づけで、ダ・ゾーンとの大型放映権契約締結の中心的役割を担っていた人物だけに、正直びっくりした。それと同時に、残念でもある。サッカーの世間的な好感度が下がってしまう可能性は否定できないよ。
 
 報道を見れば、女性職員に対して頻繁に映画や食事に誘うなど、相手にとって不快な思いを抱かせるような行動があったようだ。
 
 立場が偉くなって、勘違いしてしまったのかもしれないけど、こうした事例は判断が難しい場合があるよね。同僚と一緒に食事に行くこと自体、特に問題があるようには思えない。だけど、度が過ぎていたのだろう。
 
 仕事とは無関係な不埒なメールがあったとしても、さすがにそれは公表されないだろうけど、本人から辞任の申し出があり、それが受理されたというんだから、間違いないんだろうね。
 
 もっとも、辞任は少し違うのではないかという思いもある。辞める理由が理由なだけに、組織としては毅然とした態度でクビにすべきではなかったのか。もしかしたら、退職金の支給を考慮しての判断だったのかと邪推したくもなるよ。
 
 何年か前には、日本協会でも専務理事にセクハラ疑惑がかけられたことがあったよね。当時は、そうした事実は協会としても断固否定していて、ただ渦中の人物はたしか体調不良で辞任してしまったけど、サッカー界以外にも、プロ野球界や柔道界でも、立場を利用した迷惑行動が取り沙汰されてきたよね。
 
 日本の“体育会系”の文化が悪い方向に出てしまったという見方ができるかもしれない。パワハラやセクハラは一般企業でも問題視されていて、当然ながら、あってはいけないことだ。
 
 いずれにせよ、今回は中西氏が退任し、管理責任を問われた村井チェアマンが報酬を一部返上という形で終息しそうだけど、この際、何かまだ問題があるようならば、膿は全部出したほうがいいよ。“体質”で片づけるようなことだけはしてほしくない。
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