「先頭に立って戦うという覚悟のほうが強かった」
アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16敗退となった鹿島は、石井正忠監督の解任を決断。後任として、コーチだった大岩剛に白羽の矢が立った。新たにこのクラブを率いることになった指揮官は、選手の能力を最大限に引き出すことをなによりも重視する。
『サッカーダイジェスト』7月13日号(6月22日発売)で独占インタビューに応じてくれた大岩新監督が、就任から2週間の激動ぶりと自らのサッカー哲学について語っている。
――◆――◆――
――監督就任から2週間ほど経ちましたが、落ち着かれましたか?
「まったく落ち着いていないですね。 次の試合に集中して、その準備で頭がいっぱいです」
――監督就任の打診を受けた時の率直な感想は?
「まずは驚きましたね。ACLの広州恒大戦(5月30日)の翌日の午前中に、スタッフ全員が呼ばれたんです。去年、石井さん(正忠/前監督)が体調不良の時、1試合だけ代理で指揮を執りましたが、このタイミングで、コーチである僕が監督に昇格するケースも、想定はしていました。大前提としてその心構えはありましたし、今季のチームはホームでなかなか勝てず、ACL敗退の責任も感じていた。だから、驚きはありつつも、打診された時は、自分がチームの先頭に立って戦うという覚悟のほうが強かったですね」
――監督就任から4日後には、リーグの広島戦が控えていました。
「一番大事なのは、グラウンドに立って戦う選手たちのメンタルです。 試合の日程は決まっていて、それは変えられない。彼らをいかに試合に集中させるかがなによりも重要で、だからこそ、自分が選手の前に立った時の姿勢だったり、視線だったり、佇まいには気を配りましたね」
――佇まい、ですか?
「大袈裟かもしれませんが、急に監督になった自分がオドオドしていたら、選手に悪い影響を及ぼしかねません。ミーティングひとつとっても、選手はいろんなことを感じ取ります。 自分のコメントやスピーチも細かい部分にまでこだわりました」
――“初陣”まで時間は限られていましたが、100パーセントの準備はできましたか?
「いや、100パーセントとは言い切れませんね。僕には経験がないし、自信を持って試合に臨めたわけではありません。ただ、これまでの6年半のコーチ時代を通じて、選手たちをずっと見てきた自負はある。個々のプレーの特徴や性格などは十二分に知っているつもりだし、それは今季の新加入選手にも同じことが言える。その強みを生かして、広島戦に誰を起 用すべきかという部分は、迷わずできたと思っています」
――試合は3-1で勝利しました。
「過去の対戦データの蓄積がありますし、広島を相手に何をすべきかを再確認して、あとはアグレッシブに戦うことだけを考えました。シーズン途中の監督交代で、選手たちにも 少なからず動揺があったはず。それだけに、月並みですけど、自信を持って戦ってほしかった。そのためのアプローチはしましたね」
――新体制での船出となるゲームだけに、なによりも勝利が求められていたと思います。相応な重圧を感じていたのでは?
「プレッシャーや不安はたしかに感じていましたが、それを悟られないようにというか、表には出さないように意識していました。僕が自信満々でいられれば良かったのかもしれませんが、それよりも、繰り返しになりますが、選手たちが自信を持ってプレーするほうが何倍も大切。逆に、3点を奪った前半の戦いぶりから、僕のほうが勇気づけられたぐらいですからね(笑)」
『サッカーダイジェスト』7月13日号(6月22日発売)で独占インタビューに応じてくれた大岩新監督が、就任から2週間の激動ぶりと自らのサッカー哲学について語っている。
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――監督就任から2週間ほど経ちましたが、落ち着かれましたか?
「まったく落ち着いていないですね。 次の試合に集中して、その準備で頭がいっぱいです」
――監督就任の打診を受けた時の率直な感想は?
「まずは驚きましたね。ACLの広州恒大戦(5月30日)の翌日の午前中に、スタッフ全員が呼ばれたんです。去年、石井さん(正忠/前監督)が体調不良の時、1試合だけ代理で指揮を執りましたが、このタイミングで、コーチである僕が監督に昇格するケースも、想定はしていました。大前提としてその心構えはありましたし、今季のチームはホームでなかなか勝てず、ACL敗退の責任も感じていた。だから、驚きはありつつも、打診された時は、自分がチームの先頭に立って戦うという覚悟のほうが強かったですね」
――監督就任から4日後には、リーグの広島戦が控えていました。
「一番大事なのは、グラウンドに立って戦う選手たちのメンタルです。 試合の日程は決まっていて、それは変えられない。彼らをいかに試合に集中させるかがなによりも重要で、だからこそ、自分が選手の前に立った時の姿勢だったり、視線だったり、佇まいには気を配りましたね」
――佇まい、ですか?
「大袈裟かもしれませんが、急に監督になった自分がオドオドしていたら、選手に悪い影響を及ぼしかねません。ミーティングひとつとっても、選手はいろんなことを感じ取ります。 自分のコメントやスピーチも細かい部分にまでこだわりました」
――“初陣”まで時間は限られていましたが、100パーセントの準備はできましたか?
「いや、100パーセントとは言い切れませんね。僕には経験がないし、自信を持って試合に臨めたわけではありません。ただ、これまでの6年半のコーチ時代を通じて、選手たちをずっと見てきた自負はある。個々のプレーの特徴や性格などは十二分に知っているつもりだし、それは今季の新加入選手にも同じことが言える。その強みを生かして、広島戦に誰を起 用すべきかという部分は、迷わずできたと思っています」
――試合は3-1で勝利しました。
「過去の対戦データの蓄積がありますし、広島を相手に何をすべきかを再確認して、あとはアグレッシブに戦うことだけを考えました。シーズン途中の監督交代で、選手たちにも 少なからず動揺があったはず。それだけに、月並みですけど、自信を持って戦ってほしかった。そのためのアプローチはしましたね」
――新体制での船出となるゲームだけに、なによりも勝利が求められていたと思います。相応な重圧を感じていたのでは?
「プレッシャーや不安はたしかに感じていましたが、それを悟られないようにというか、表には出さないように意識していました。僕が自信満々でいられれば良かったのかもしれませんが、それよりも、繰り返しになりますが、選手たちが自信を持ってプレーするほうが何倍も大切。逆に、3点を奪った前半の戦いぶりから、僕のほうが勇気づけられたぐらいですからね(笑)」