【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|守護神が成長する糧となるいくつかの苦い経験

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年06月20日

キャンプでお世話になった方々に成長した姿を見せられた。

リーグ戦では年に一回の九州での戦い。キャンプでお世話になった方々に成長する姿を見せられた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第14回。テーマは「成長」だ。開幕前のキャンプでお世話になっている宮崎県や鹿児島県の方々も観戦に来てくれたという鳥栖戦。
 
 その試合で好パフォーマンスを披露したシュミット・ダニエルを「安心して見ていられる」と評する理由とは? ゲームを振り返りながら、苦い経験を糧にする25歳のGKに焦点を当てて語ってもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ15節]鳥栖 1-1 仙台/6月18日(日)/ベアスタ
 
 昨季に福岡がJ2へ降格したことで、今季のリーグ戦を九州で戦うのは鳥栖戦のみ。そんな年に一回のビッグゲームで、開幕前のキャンプでお世話になっている宮崎県や鹿児島県の方々は毎年のように応援に駆け付けてくれる。
 
 キャンプは1か月以上の期間にわたるが、あくまでもシーズンに突入する前準備。そのため、彼らは「今年の仙台はどんなチームになるのだろう」という段階で送り出していることになる。
 
 つまり、鳥栖戦はキャンプの成果を現地でいろいろと協力してくれた方々にも披露する晴れ舞台なのだ。そういう機会があることをとても嬉しく感じるし、選手たちには「良いゲームを見せよう」と話してピッチへと送り出した。
 
 昨季は3-2で勝利したが、今季は1-1の引き分け。ただ、仙台の新しいスタイルをお披露目できたと思っている。
 
 肝心の試合についてだが、前半はとにかく手堅くいこうと考えていた。今季の鳥栖は前半に得点が、後半に失点が多い。なので、最初の45分間は無失点で切り抜け、残り45分でギアを上げるゲーム運びをするつもりだった。
 
 実際に前半は全員の意識統一がなされており、堅実な展開になった。終了間際に鎌田大地選手に抜け出されて決定機を作られたが、大ピンチはそれのみだろう。ダン(シュミット・ダニエル)の好セーブもあって、大方は自分たちの考えていた通りの試合ができていた。
 
 後半立ち上がりの失点はアンラッキーもあった。吉田豊選手から原川力選手へとパスが渡った時に、全体としてボールホルダーにプレッシャーを掛ける意識があったからこそ、シュートの瞬間にオフサイドポジションに鳥栖の選手を3人も置き去りにすることができた。
 
 だが、あと1、2歩詰められていればシュートのこぼれ球が後ろに転がらなかったかもしれない。より細部にこだわって、無失点につなげなければいけないと感じた。
 
 そんな鳥栖戦で好パフォーマンスを披露したのが、ダンだ。すごく落ち着いてプレーできていた。シュートをキャッチするのか、弾くのかの判断が的確になったことで、安心して見ていられるようになった。
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