前からプレスに行くのか否か、プレー選択を明確にした。
仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第13回。テーマは「攻守の切り替え」だ。相手陣に甲府を押し込み続け、3ゴールを奪って白星を掴んだ今節。この完勝劇を演じられた理由とは? “切り替え”や“プレー選択”に焦点を当てて語ってもらった。
――◆――◆――
[J1リーグ14節]仙台 3-0 甲府/6月4日(日)/ユアスタ
目指しているサッカーの究極形は、90分間ずっとハーフコートゲームをすること。今節の甲府戦は少しだけ理想に近付けたのかなという実感はあるし、高い意識を持って選手たちは戦ってくれていたと思う。
その意味で、攻守の切り替えがとにかく良かった。守備に回った瞬間にボールホルダーへ寄せて、前で潰す。潰し切れなかったとしても、相手優位のカウンターにさせないようにスピードを吸収することができていた。
ボールを握れていれば、相手を動かし、疲れさせることができる。もし失ったとしても、すぐに奪いに行く。前半のうちに2回、3回とプレッシングが成功すれば選手たちもリズムに乗れる。
そこで1本でもカウンターでフィニッシュまで行かれてしまうとバタついてしまう。それが前節の新潟戦(2-1)だった。だからこそ、徹底的に反省した。特に相手陣内で奪い返すことは休み明けのトレーニングで重点的に行ない、選手たちに刷り込んだ。
その新潟戦も、きちんと下がって守備ブロックを敷けたシーンでは大きなピンチにはなっていない。「奪えるのでは?」と相手陣でプレスに行った際に剥がされて、決定機を作られてしまったのだ。
カウンターを受けて危険なシーンを作られた場面を映像で確認し、「これは前からプレスに行ける。これはダメなのでリトリートする」とプレー選択を明確にさせた。その成果が今節の甲府戦だった。
また、甲府の布陣や戦い方がうちに噛み合ったことも重要だった。カウンター時に飛び出してくるのは2トップ(ウイルソン、堀米勇輝)と田中佑昌。この3人は3バックとボランチ1枚で見ることができる。
あとはウイングバックだが、ここは「背後を取るか、取られるかの勝負。競争だぞ」とハチ(蜂須賀孝治)と(永戸)勝也に発破を掛けた。
加えて、立ち上がりシンプルにロングボールを使用してくると思っていたが、相手は後ろからつなごうとしてくれた。そうなればボールを引っ掛けるポイントを作ることができるし、バックパスをするなら勢いを持ってプレッシャーに行ける。
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[J1リーグ14節]仙台 3-0 甲府/6月4日(日)/ユアスタ
目指しているサッカーの究極形は、90分間ずっとハーフコートゲームをすること。今節の甲府戦は少しだけ理想に近付けたのかなという実感はあるし、高い意識を持って選手たちは戦ってくれていたと思う。
その意味で、攻守の切り替えがとにかく良かった。守備に回った瞬間にボールホルダーへ寄せて、前で潰す。潰し切れなかったとしても、相手優位のカウンターにさせないようにスピードを吸収することができていた。
ボールを握れていれば、相手を動かし、疲れさせることができる。もし失ったとしても、すぐに奪いに行く。前半のうちに2回、3回とプレッシングが成功すれば選手たちもリズムに乗れる。
そこで1本でもカウンターでフィニッシュまで行かれてしまうとバタついてしまう。それが前節の新潟戦(2-1)だった。だからこそ、徹底的に反省した。特に相手陣内で奪い返すことは休み明けのトレーニングで重点的に行ない、選手たちに刷り込んだ。
その新潟戦も、きちんと下がって守備ブロックを敷けたシーンでは大きなピンチにはなっていない。「奪えるのでは?」と相手陣でプレスに行った際に剥がされて、決定機を作られてしまったのだ。
カウンターを受けて危険なシーンを作られた場面を映像で確認し、「これは前からプレスに行ける。これはダメなのでリトリートする」とプレー選択を明確にさせた。その成果が今節の甲府戦だった。
また、甲府の布陣や戦い方がうちに噛み合ったことも重要だった。カウンター時に飛び出してくるのは2トップ(ウイルソン、堀米勇輝)と田中佑昌。この3人は3バックとボランチ1枚で見ることができる。
あとはウイングバックだが、ここは「背後を取るか、取られるかの勝負。競争だぞ」とハチ(蜂須賀孝治)と(永戸)勝也に発破を掛けた。
加えて、立ち上がりシンプルにロングボールを使用してくると思っていたが、相手は後ろからつなごうとしてくれた。そうなればボールを引っ掛けるポイントを作ることができるし、バックパスをするなら勢いを持ってプレッシャーに行ける。