【柏】興梠のPK失敗は必然だった!?ビッグセーブを生む中村の冷静なスタンス

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2017年06月05日

「(興梠選手の)情報は入っていた」。

浦和戦でも好セーブを連発。大一番で特大の存在感を放った。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1リーグ14節]柏1-0浦和/6月4日(日)/柏
 
 J1・14節、柏が浦和を下して、リーグ8連勝を飾った。勝利の立役者となったのはGKの中村航輔だ。
 
 37分に森脇良太の強烈なミドルシュートを横っ飛びで防ぐと、56分には、関根貴大の至近距離からのショットを阻止。さらに73分に興梠慎三の渾身の一撃をストップと3本のビッグセーブを披露し、浦和の攻撃を見事にシャットアウトした。
 
 さらにこの日、試合展開を大きく変えたプレーがあった。それが49分のPKの場面だ。
 
 タイミングをずらそうと助走中に2度止まった興梠に対し、「なんとか止めようと最善を尽くした」という中村は微妙に右(キッカーから見て左)に上体を揺らし、翻弄。
 
 興梠のシュートは枠の右に外れた。
 
 実に1秒もない時間の中の駆け引きで、中村は相手のミスを誘い、見事に勝負を制した。もちろんPKは運の要素を多分に含むが、興梠については「スカウティングもしていますし、リオ五輪で一緒に戦った仲間でしたので、情報は入っていた」という。
 
 相手に流れを渡さなかったという意味で、勝敗を分けたひとつの要因だったかもしれない。試合後、浦和のペトロヴィッチ監督も「あのPKが入っていれば逆転してもおかしくない展開を作れていたと思う」と、この場面がひとつのターニングポイントであったと語った。
 
 さらに敵将は、「相手のGKは非常に素晴らしいセーブで決定的なシーンを防いだ。本当に素晴らしいプレーだったと思う」と称賛した。
 
 こうした中村のビッグセーブは、単なる反応スピードだけでなく冷静な情報分析や状況判断から生まれている。

 最後尾で柏の好調を支える中村は、6月シリーズ(7日にキリンチャレンジカップのシリア戦、13日にロシアワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦)を戦う日本代表にも選出された。
 
「ずっと入りたかった場所」というA代表に初招集されても、その冷静沈着なスタンスは崩さない。
 
「結果だけを求めて戦うのは、チームと同じこと。結果を掴むこと(が大事)」
 
 存在感を高める新鋭GKは、代表戦に向けても静かに闘志を燃やし、準備を進めているに違いない。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB)
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