【浦和】ACL決勝弾、森脇良太が告白した「死」と「支え」について考えた日々

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年06月01日

延長後半9分、高木がドリブルで切れ込んだ瞬間、「『必ず来る』と信じて飛び込んだ」。

延長後半9分、決勝ゴールを決めてサポーターの前で顔をくしゃくしゃにする森脇。(C)Getty images

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[ACL 決勝トーナメント1回戦 第2戦]
 浦和レッズ 3 EX 0 済州ユナイテッド
2017年5月31日/埼玉スタジアム
 
 試合後、久しぶりに記者団の前に立った森脇良太は言葉を選びながらも、これまでと変わらず素直な想いを語っていった。
 
 ACL決勝トーナメント1回戦、ホームで迎えた済州との第2戦。興梠慎三と李忠成のゴールで2戦合計スコア2-2に追い付き、試合は延長戦に突入。総力戦となり、延長前半10分には足を攣った関根がベンチに退く。
 
 最後のカードで入ったズラタンが前線に入ると、シャドーの柏木がボランチに、ボランチの阿部が右ストッパーにポジションを下げる。そして右ストッパーだった森脇が右ウイングバックにシフトした。
 
 基本的に前線へのクロスやクサビのパスの供給が求められた森脇だが、一方で状況に応じて前線に張り出すアタッカーとしてゴールも狙っていた。
 
 森脇は振り返る。
 
「トシ(左ウイングバックの高木俊幸)がボールを持った時には良いクロスが上がっていたので、必ずチャンスが来ると思っていました。ドリブルで持ち上がり切り替えた瞬間、『必ず来る』と信じて飛び込みました」
 
 延長後半9分、森脇がトータルスコア3-2に逆転する一撃を叩き込む。

 逆サイドをドリブルで駆け上がった高木のシュート性のクロスに、森脇が飛び込みしっかりサイドキックで合わせる。ボールがゴールネットを揺らした瞬間、「正直、本当に入ったのか分からず、半信半疑だった」。
 
 背番号46は大きな顔を涙でくしゃくしゃにして、ゴール裏で声援を送り続けた浦和サポーターのもとに走り、選手たちと抱き合って歓喜した。
  
 試合に出場していた選手も、控えの選手も入り混じり揉みくちゃになる。
 
「やったぞ、モリ」

「最高だ」

「試合中だ。泣くには早いぞ!」

「涙、出てないだろ!」

――など声を掛けられたそうだ。
 
「みんなの想いが、あのゴールにつながった」
 
 森脇はそう喜んだ。
 
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