監督、戦い方、メンバーが変わったシャルケ…チームは機能せず
今シーズンのブンデスリーガは、色々と戦力分布図に変化が見られたシーズンとなった。
優勝こそお馴染みのバイエルンだったが(5連覇)、上位にはフレッシュな顔ぶれが並んだ。
優勝争いでバイエルンのライバルと目されたドルトムントとのあいだに割って入り、2位でフィニッシュしたのが昇格組のRBライプツィヒ。4位には昨シーズン、降格寸前まで落ち込んでいたホッフェンハイムがランクインした。
さらに、ヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得したのがケルン(5位)とヘルタ・ベルリン(6位)、DFBカップ決勝でドルトムントがフランクフルトに勝利すれば、ここに昇格組のフライブルク(7位)も加わる。
それぞれが自分たちの強みを活かしたサッカーを披露し、ドイツのファンを楽しませた。
その一方で、ここ数シーズン、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を争っていたボルシアMG、シャルケ、レバークーゼン、ヴォルフスブルクが低迷。なかでも、大きな失望を与えたのが、シャルケとレバークーゼンの2クラブだ。
どちらも大型補強を施し、戦前は優勝争いに絡む存在と期待されていたが、結局、一度も波に乗れないまま、シャルケは10位、レバークーゼンは12位に沈んで、終戦を迎えることとなった。
今回は、そんな2チームの失意のシーズンを振り返ってみたいと思う。
シャルケは今シーズン開幕前、アウクスブルクからマルクス・バインツィール監督、マインツからはクリスティアン・ハイデルをチームマネジャーに招き入れ、新時代の幕開けを予感させたが、チーム改革は思い通りに進まなかった。
まず、あまりにも選手が入れ替わり過ぎた印象は否めない。昨シーズン終盤のレギュラーメンバーのうち、今シーズン、コンスタントに起用されたのは、GKラルフ・フェーアマン、DFベネディクト・へーベデス、MFレオン・ゴレツカの3人だけだった。
監督が代わり、戦い方が変わり、メンバーが変わり……では、さすがにチームを機能させるのは困難だ。
バインツィールがもたらそうとしていたこと自体は間違いではない。だが、オーソドックス過ぎた。指導者講習会では好成績を貰えても、選手からプラスアルファを引き出せないと、トップクラブのサッカーとしては物足りないのは事実だ。選手たちは常に、どこか窮屈そうにプレーしていた。
それでいて、大事なところでの戦術が浸透し切っていない。選手間の距離が曖昧になり、危険なところでパスコースを空けてしまう。ボールをバイタルゾーンに入れられた後も、守備の蓋を閉められないシーンが多過ぎた。
奮闘を見せていたゴレツカは、相手の守備を崩す起点となれる位置に走り込み、ボールを引き出す動きを見せた。だが、その動きを感知している選手が少ないので、動き出しに反応がない。
ならばと、ゴレツカが下がってボールを運ぼうとすると、今度はスペースに入り込める選手がいなくなる。そうしたプレーが得意なはずのマックス・マイヤーも精彩を欠き、バインツィールからの信頼を失ってしまった。
シャルケが強かった頃を思い出すと、動きに連動性はなくても、選手それぞれの力が発揮できる連係力があった。綺麗にパスを繋げなくても、ゴールに持ち込める力強さがあった。内田篤人が「シャルケらしくていいんじゃない」と言う、したたかさがあった。
スマートなだけではダメなのだ。
来シーズンは、吹っ切れたサッカーでまた、シャルケ・ファンに喜びをもたらしたい。
優勝こそお馴染みのバイエルンだったが(5連覇)、上位にはフレッシュな顔ぶれが並んだ。
優勝争いでバイエルンのライバルと目されたドルトムントとのあいだに割って入り、2位でフィニッシュしたのが昇格組のRBライプツィヒ。4位には昨シーズン、降格寸前まで落ち込んでいたホッフェンハイムがランクインした。
さらに、ヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得したのがケルン(5位)とヘルタ・ベルリン(6位)、DFBカップ決勝でドルトムントがフランクフルトに勝利すれば、ここに昇格組のフライブルク(7位)も加わる。
それぞれが自分たちの強みを活かしたサッカーを披露し、ドイツのファンを楽しませた。
その一方で、ここ数シーズン、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を争っていたボルシアMG、シャルケ、レバークーゼン、ヴォルフスブルクが低迷。なかでも、大きな失望を与えたのが、シャルケとレバークーゼンの2クラブだ。
どちらも大型補強を施し、戦前は優勝争いに絡む存在と期待されていたが、結局、一度も波に乗れないまま、シャルケは10位、レバークーゼンは12位に沈んで、終戦を迎えることとなった。
今回は、そんな2チームの失意のシーズンを振り返ってみたいと思う。
シャルケは今シーズン開幕前、アウクスブルクからマルクス・バインツィール監督、マインツからはクリスティアン・ハイデルをチームマネジャーに招き入れ、新時代の幕開けを予感させたが、チーム改革は思い通りに進まなかった。
まず、あまりにも選手が入れ替わり過ぎた印象は否めない。昨シーズン終盤のレギュラーメンバーのうち、今シーズン、コンスタントに起用されたのは、GKラルフ・フェーアマン、DFベネディクト・へーベデス、MFレオン・ゴレツカの3人だけだった。
監督が代わり、戦い方が変わり、メンバーが変わり……では、さすがにチームを機能させるのは困難だ。
バインツィールがもたらそうとしていたこと自体は間違いではない。だが、オーソドックス過ぎた。指導者講習会では好成績を貰えても、選手からプラスアルファを引き出せないと、トップクラブのサッカーとしては物足りないのは事実だ。選手たちは常に、どこか窮屈そうにプレーしていた。
それでいて、大事なところでの戦術が浸透し切っていない。選手間の距離が曖昧になり、危険なところでパスコースを空けてしまう。ボールをバイタルゾーンに入れられた後も、守備の蓋を閉められないシーンが多過ぎた。
奮闘を見せていたゴレツカは、相手の守備を崩す起点となれる位置に走り込み、ボールを引き出す動きを見せた。だが、その動きを感知している選手が少ないので、動き出しに反応がない。
ならばと、ゴレツカが下がってボールを運ぼうとすると、今度はスペースに入り込める選手がいなくなる。そうしたプレーが得意なはずのマックス・マイヤーも精彩を欠き、バインツィールからの信頼を失ってしまった。
シャルケが強かった頃を思い出すと、動きに連動性はなくても、選手それぞれの力が発揮できる連係力があった。綺麗にパスを繋げなくても、ゴールに持ち込める力強さがあった。内田篤人が「シャルケらしくていいんじゃない」と言う、したたかさがあった。
スマートなだけではダメなのだ。
来シーズンは、吹っ切れたサッカーでまた、シャルケ・ファンに喜びをもたらしたい。