【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|アウェーの地で手にした「勝点1」以上の財産

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年05月25日

相手の出方を窺いながら進められたらいいと考えていた。

横浜戦は1-1の引き分け。いいプレーを選手たちは見せてくれたが勝ち切れず。ただ、「これだけやれるんだ」という手応えを全員が得られた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム『日晋月歩』の第11回。テーマは「ゲームコントロール」だ。10節のFC東京戦、11節の大宮戦と連敗して迎えた横浜とのアウェー決戦。28.5℃という気温とも戦わなければいけない中で、どのようなゲームプランを立てて臨んだのか。良いパフォーマンスを披露できた試合を振り返ってもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ12節]横浜 1-1 仙台/5月20日(土)/日産ス
 
 横浜を相手にアウェーで良い戦いをできた。本来であれば勝ち切らなければいけなかったとも思うが、「これだけやれるんだ」という手応えを全員が得られたことには大きな意義がある。
 
 自信も手に入れただろう。もちろん、勝てていればそれはもっと大きなものになったはずだが……。それでも、「やり続けたことは間違いではなかった」と感じられる90分間だった。
 
 この試合は、相手の出方を窺いながら進められたらいいと考えていて、その話は選手たちにもした。それを実行してくれたのだから、内容はもとより、成長につながるゲームになったとも思う。
 
 天気予報で「暑くなる」のは分かっていたため、それを覚悟してプレーしようという話をした。それを理解したうえで、「ボールを保持しよう」と。相手を動かせれば、主導権を握って戦える。
 
 ただ、ポゼッション率を単に上げるだけでは怖さがない。攻撃の優先順位を整理し、そのうえで大宮戦(11節)のような流れを相手に渡すミス、後ろ向きな失敗をなくす。前掛かりになり過ぎずに、しっかりとリスクマネジメントをしながら、きちんとゲームコントロールをしたかった。
 
 バランスを取るのは難しかったと思うが、選手たちの判断は軒並み良く、おかげで立ち上がりからビッグチャンスを作れた。しっかりと横浜を敵陣に閉じ込められ、90分を通して素晴らしいパフォーマンスだった。
 
 嫌な時間帯(45+1分)での失点は、うちのミスからカウンターを食らった形だ。残念ではあったが、良い戦いはできていたため、ハーフタイムに戦術的な修正はひとつもしなかった。
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