4月19日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ準々決勝の第2レグが行なわれ、ドルトムントは1-3でモナコに敗れ、合計スコア3-6で敗退となった。
ホームでの第1レグを2-3で落としたドルトムントは、逆転での準決勝進出のためには2点差か4得点以上の1点差で勝利を挙げることが必要であり、開始直後から攻撃の意思を示す。いきなり香川→左サイドのゲレイロ→前線のロイスとパスが渡り、シュートまで持ち込んだ(DFがブロック)。
しかし間もなくして、先制点はホームチームにもたらされる。3分、左SBのメンディがドリブルで中央に突き進むとペナルティーエリア手前から強烈なシュート。GKビュルキが手前に弾いたところを、第1レグでも2ゴールを決めた18歳のFWエムバペが詰めた。
欲しかった先制点を奪われたドルトムントは、11分にペナルティーエリア手前で香川→オーバメヤン→右のドゥルムと繋ぎ、グラウンダーのクロスを中央でロイスがダイレクトで合わせたが、GKスパシッチの好守に阻まれる。
14分にはシャヒンがポストに当たるFKを放つなど、ゴールに近付いていたドルトムントだが、その3分後に痛恨の2失点目。ルマールの左からのクロスを、DFより先に飛び込んだファルカオにヘッドで押し込まれたのだ。
ハイレベルな連動性とスピード溢れる攻撃を見せるモナコにドルトムントはついていけず、たびたびピンチを迎える。一方、攻撃では時間が進むとともに、相手の厳しいプレッシャーを受けて良いかたちを作れなくなっていった。
そんな状況を打開しようと、27分に早くもトゥヘル監督は動き、ドゥルムに代えてデンべレを投入。すると、この19歳のアタッカーの起用は吉と出、ドルトムントは攻撃が機能し始める。それぞれが孤立していた攻撃陣に連動性が生まれ、相手ゴールに迫れるようになる。
香川も最初はバカヨコの執拗なマークを受け、なかなか高い位置でボールを受けることができず、効果的なプレーは非常に少なかったが、デンべレの登場以降は好位置で前を向いてプレーできるようになり、好パスを何本も通していった。
後半開始すぐに香川がドリブルからシュートを放つなど、攻勢に立ったドルトムントは48分、デンベレが右サイドを突破してマイナスに折り返すと、ロイスが右足で叩き込み、追撃のゴールを奪った。
勢いを得たアウェーチームはボールポゼッションを高め、同点、逆転を狙って再三ゴール前に迫る。しかし、以降はモナコの堅守が彼らを苦しめた。全てのパスやクロスをはね返し、決定的なシュートを許さなかった。
無理をする必要のないホームチームはドルトムントにボールを持たせながら、機を見てカウンターを発動し、チャンスを量産。少ない人数でもしっかりボールを繋ぎ、正確なクロスからフィニッシュまで持ち込めるモナコの攻撃力は見事としか言いようがなかった。
そして81分、必死にゴールを狙うドルトムントを嘲笑うかのように、モナコはルマールのパスカットから、交代出場したばかりのジェルマンがファーストタッチで3点目を奪って、勝負を終わらせた。
第1レグ同様、攻守で相手を上回るとともに、試合運びにおいても巧みさを見せたモナコが準決勝へ進出。そのポテンシャルは非常に高く、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、ユベントスのどこと当たろうとも、相手を苦しめることは間違いないだろう。
一方、ドルトムントの欧州での戦いは幕を閉じた。爆破事件に巻き込まれた影響は確実にあっただろうが、第1レグ同様、取られ方、時間帯ともにダメージの残る失点が多く、相手の術中に嵌ってもがき苦しんだ180分だった。