"空気"を変える風間グランパスの切り札――杉本竜士が評価を上げている理由とは

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年04月09日

「とにかく“見えないところ”に僕が行く」。独特の感覚でチームを活性化した。

7節・讃岐戦で移籍後初ゴール。杉本にエンジンがかかってきた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 試合を追うごとに、背番号25の価値と存在感が高まってきている。
 
 4節・水戸戦で初のベンチ入りを果たした杉本竜士は、5節の松本戦で後半から途中出場。小雪舞うアルウィンでもトレードマークの半袖を貫き、こだわりのドリブルと蛮勇にも見える荒々しいプレーで、チームの新たなオプションとなる可能性を見せた。
 
 6節・熊本戦でついにスタメン出場を果たすも、後半開始早々に自らのドリブル失敗にイラついて警告をもらって途中交代。3歩進んで、進み過ぎてちょっと暴走して、2歩立ち止まるようなそのプレースタイルで、停滞感を叩き壊すアクセント役をこなせるようになってきた。
 
 もともとが「自分のスタイル的に、スタメンでも途中交代でもいい」と語る突貫小僧キャラだ。7節・讃岐戦ではスタメンを杉森考起に譲り、ベンチに待機していたが、讃岐のロングボール戦術に押し込まれる仲間たちを見て「何でビビってプレーしてんだろ」と舌なめずりをしていた。
 
 迎えたハーフタイムの練習中にコーチに呼ばれ、熱いハイタッチをかわして後半から出場。長いボールを蹴られても、そこから正確な止める、蹴るの繰り返しで押し返していくのがチーム本来のやり方だが、前半はハイプレスにやや逃げる傾向が見られ、なかなか名古屋らしさを表現することができなかった。杉本がそこで心掛けたのは、「とにかく、“見えないところ”に僕が行く」ということだ。
 
「みんな自分が見えるところでしかプレーしていなかった。だから、“ここに行ったらいけないのか、ここに行くと取られてしまうのか”となっていた。そこを自分がこじ開けてチームが勢いに乗れたらと思っていた。
 
 例えば僕が縦に仕掛けて、ドリブルして思いっきり取られました。でも、みんなが『それやっていいんだ』と思えば、じゃあアイツみたいに仕掛けようとするかもしれない。そういう風にチームが見えてなかったところを見られるようにしていければと思って。それが押し込める形につながったと思うし、そこは意識して入りましたね」
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