白日の下に晒されたペレスとニュースサイトのリアルなやりとり。
スペインのニュースサイト『eldiario.es』は3月30日、レアル・マドリー会長のフロレンティーノ・ペレスが情報操作を目的とした偽ニュースサイトを作らせていたことをスクープした。
同サイトによれば、ペレス会長は2013年9月にアレハンドロ・デ・ペドロという人物と年間30万ユーロ(約3600万円)の契約を交わし、ソーシャルネットワーク上におけるマドリーのイメージアップを依頼。デ・ペドロの会社が開設した『diariobernabeu.com』というニュースサイトを通し、クラブに都合の良い情報ばかりを発信させていったという。
昨年末で同サイトは閉鎖されているが、『eldiario.es』は、両者が交わしたメッセージの履歴も入手して掲載。そのやりとりは実にリアルだ。
「会長、今アップしましたので送ります。さらに明日の会見で監督に質問する予定です」
「おはようございます会長、記事を2本アップしました。今日SNSに広めます」
「少し前に指示通りに変更しました」
「会長、伝えた通り今朝、監督に質問しました」
このように事細かく報告を行なうデ・ペドロとは対照的に、ペレス会長の返答は、「Bien(よろしい)」、「OK」など素っ気ないものがほとんどだ。だが、中には具体的な指示をメッセージ上で送っているものもある。
「アレックス(アレハンドロ・デ・ペドロの愛称)、ヨーロッパの半数クラブがイスコを欲しがっているなどとdiariobernabeuで伝えるな。それは真実でないだけでなく、我々にとって問題をもたらしうる情報だ」
これに対するデ・ペドロの反応は迅速だった。
「OK、今すぐ削除します。いずれにせよ会長、どんな情報を求め、どんな情報は不要なのかもっと言ってください」
マドリディスタ(熱狂的なマドリー・ファン)根性丸出しの情報サイトなら他にも山のようにある。もっと言えば、スペインに中立中庸の立場をとるメディアなど皆無だと言っても過言ではない。
例えば、国内で最大発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』は、「マドリーの機関紙」と揶揄されるほどペレス政権と癒着している。対抗紙の『アス』はマドリー、アトレティコ・マドリーの情報に紙面を割きながらも、内容的には反ペレス・キャンペーンを張っている。
今回のスクープも後者が2ページを割いて取り上げたのとは対照的に、前者は全く触れていなかったくらいだ。スペインでは各メディアが特定の読者層を狙い、確信犯的に主観を込めた記事を世に放っているのだ。
もちろん事実の捏造などは論外だ。しかし、スペインの読者は記事をどういう立場のメディアなのかを分かったうえで読んでおり、内容全てを真実だと鵜呑みにすることも基本的にはない。そのため公平性を欠いた記事が大きな問題になることは少ないのだ。
同サイトによれば、ペレス会長は2013年9月にアレハンドロ・デ・ペドロという人物と年間30万ユーロ(約3600万円)の契約を交わし、ソーシャルネットワーク上におけるマドリーのイメージアップを依頼。デ・ペドロの会社が開設した『diariobernabeu.com』というニュースサイトを通し、クラブに都合の良い情報ばかりを発信させていったという。
昨年末で同サイトは閉鎖されているが、『eldiario.es』は、両者が交わしたメッセージの履歴も入手して掲載。そのやりとりは実にリアルだ。
「会長、今アップしましたので送ります。さらに明日の会見で監督に質問する予定です」
「おはようございます会長、記事を2本アップしました。今日SNSに広めます」
「少し前に指示通りに変更しました」
「会長、伝えた通り今朝、監督に質問しました」
このように事細かく報告を行なうデ・ペドロとは対照的に、ペレス会長の返答は、「Bien(よろしい)」、「OK」など素っ気ないものがほとんどだ。だが、中には具体的な指示をメッセージ上で送っているものもある。
「アレックス(アレハンドロ・デ・ペドロの愛称)、ヨーロッパの半数クラブがイスコを欲しがっているなどとdiariobernabeuで伝えるな。それは真実でないだけでなく、我々にとって問題をもたらしうる情報だ」
これに対するデ・ペドロの反応は迅速だった。
「OK、今すぐ削除します。いずれにせよ会長、どんな情報を求め、どんな情報は不要なのかもっと言ってください」
マドリディスタ(熱狂的なマドリー・ファン)根性丸出しの情報サイトなら他にも山のようにある。もっと言えば、スペインに中立中庸の立場をとるメディアなど皆無だと言っても過言ではない。
例えば、国内で最大発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』は、「マドリーの機関紙」と揶揄されるほどペレス政権と癒着している。対抗紙の『アス』はマドリー、アトレティコ・マドリーの情報に紙面を割きながらも、内容的には反ペレス・キャンペーンを張っている。
今回のスクープも後者が2ページを割いて取り上げたのとは対照的に、前者は全く触れていなかったくらいだ。スペインでは各メディアが特定の読者層を狙い、確信犯的に主観を込めた記事を世に放っているのだ。
もちろん事実の捏造などは論外だ。しかし、スペインの読者は記事をどういう立場のメディアなのかを分かったうえで読んでおり、内容全てを真実だと鵜呑みにすることも基本的にはない。そのため公平性を欠いた記事が大きな問題になることは少ないのだ。