ファンにとって苦痛でしかなかった選手組合によるスト。
去る3月9日まで、アルゼンチンでは80日もの間、国内リーグの試合が行なわれないという事態が起きた。
いつもなら12月中旬に前期の日程を終え、夏季のオフ期間を経て2月上旬から後期がスタートするのだが、今年は「一部のクラブにおける選手への給与未払い」を理由にFAA(アルゼンチン・サッカー選手組合)がストを決行したからだ。
プリメーラ(1部リーグ)もアセンソ(2部から5部までの下部リーグの総称)も、サポーターたちの揺ぎない情熱によって安定した人気を誇るだけに、「サッカーのない非日常」はファンにとっても苦痛でしかなかった。
この国では過去にも様々な理由から選手によるストがあった。しかし、今回はプリメーラとアセンソに属するプロ選手全員が一致団結するという大規模なものであったうえ、一部のクラブが杜撰な運営のために支払い不能にあることや、昨年10月から一銭も報酬を受け取っていない選手たちがいるという深刻な事実が発覚したことなどから、より大きな波紋を呼んだ。
率直なところ、FAAがここまで影響力を発揮すると予測できた人はいなかっただろう。同組合のセルヒオ・マルチ代表は、どちらかというと「選手より自分の地位を守る男」と見られており、あのディエゴ・マラドーナからも「役立たず」のレッテルを貼られていたからだ。
実際、2013年にコロンで給与の支払いが遅れた際、選手たちがマルチのアドバイスを聞き入れてストを行なったところチームは勝点を剥奪され、それがその後の2部降格に繋がってしまったというエピソードがある。
だが今回、マルチは全選手の支持を一身に受けた。というのもFAAは昨年半ばから、未払い分の給与をAFA(アルゼンチン・サッカー協会)が援助するよう積極的に交渉していたからだ。
マルチは昨年8月、全クラブへの計3億5000万ペソ(約25億円)の支払いをAFAに義務付ける契約を交わしており、12月の前期終了直後から納金を要求。だが、FIFAの介入から設けられた正常化委員会によって改革の真っ最中にあるAFAには資金がなく、同委員会のアルマンド・ペレス会長が国内リーグの放映権を持つアルゼンチン政府に解約金の先貸しを打診していた。
いつもなら12月中旬に前期の日程を終え、夏季のオフ期間を経て2月上旬から後期がスタートするのだが、今年は「一部のクラブにおける選手への給与未払い」を理由にFAA(アルゼンチン・サッカー選手組合)がストを決行したからだ。
プリメーラ(1部リーグ)もアセンソ(2部から5部までの下部リーグの総称)も、サポーターたちの揺ぎない情熱によって安定した人気を誇るだけに、「サッカーのない非日常」はファンにとっても苦痛でしかなかった。
この国では過去にも様々な理由から選手によるストがあった。しかし、今回はプリメーラとアセンソに属するプロ選手全員が一致団結するという大規模なものであったうえ、一部のクラブが杜撰な運営のために支払い不能にあることや、昨年10月から一銭も報酬を受け取っていない選手たちがいるという深刻な事実が発覚したことなどから、より大きな波紋を呼んだ。
率直なところ、FAAがここまで影響力を発揮すると予測できた人はいなかっただろう。同組合のセルヒオ・マルチ代表は、どちらかというと「選手より自分の地位を守る男」と見られており、あのディエゴ・マラドーナからも「役立たず」のレッテルを貼られていたからだ。
実際、2013年にコロンで給与の支払いが遅れた際、選手たちがマルチのアドバイスを聞き入れてストを行なったところチームは勝点を剥奪され、それがその後の2部降格に繋がってしまったというエピソードがある。
だが今回、マルチは全選手の支持を一身に受けた。というのもFAAは昨年半ばから、未払い分の給与をAFA(アルゼンチン・サッカー協会)が援助するよう積極的に交渉していたからだ。
マルチは昨年8月、全クラブへの計3億5000万ペソ(約25億円)の支払いをAFAに義務付ける契約を交わしており、12月の前期終了直後から納金を要求。だが、FIFAの介入から設けられた正常化委員会によって改革の真っ最中にあるAFAには資金がなく、同委員会のアルマンド・ペレス会長が国内リーグの放映権を持つアルゼンチン政府に解約金の先貸しを打診していた。