父親は「このままではイカルディを見せてあげられない」と焦り…。
プロサッカー選手は、子どもたちに夢を与える存在であるべきだ。インテルのキャプテンを務めるFWマウロ・イカルディと、その妻であり代理人のワンダ・ナラは、そう考えているのだろう。彼らは7歳の少年の夢を“神対応”で叶えてみせた。イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』紙などが現地時間2月12日に伝えている。
ワンダ・ナラは2月12日、ツイッターにある写真と手紙を掲載した。写真には、笑顔でイカルディと記念撮影している男の子。右ほほに「フォルツァ(がんばれ)、インテル」と書いている。手紙はその小さなサポーターの父親がワンダ・ナラに宛てたものだった。
父親によると、7歳の息子は「一日中」イカルディのことを話し続けるほどの大ファン。そこで、父親は「生ヒーロー」を息子に見せてあげようと、インテルの試合に連れていくことを計画した。
経済情勢が厳しい近年のイタリアでは、少ない給与の一部をサッカー観戦代に回す余裕がない家庭も少なくない。今回の主役一家も、似たような状況なのかもしれない。父親は「小さくない犠牲を払って」、2月12日のエンポリ戦のチケットを買ったという。
7歳の少年は、指折り数えて試合を楽しみにしていたに違いない。父親も、そんな息子を見て微笑んでいたことだろう。ところが、そんな親子に衝撃的なニュースが届いた。前節ユベントス戦における審判とのいさかいから、イカルディに2試合の出場停止処分が科されたのだ。
インテルは異議を申し立てたが、10日にこれも却下され、イカルディはエンポリ戦に出られないことが確定した。父親は「このままでは息子にイカルディを見せてあげられない」と焦ったことだろう。そして、おそらくは藁にもすがる思いで、ワンダ・ナラにメッセージを送った。
「どうにかして息子の夢を叶えてあげてくれないだろうか。あなたの大事なマウロのことを、ただひとりのヒーローと思っている7歳の子どもの夢を。息子に彼を見せることができず、その夢を叶えられないなんて、私は心から苦しいんだ」
父親は「何千ものリクエストがあるだろうことは分かっている」、「心から感謝し、面倒をかけて申し訳なく思う」と、丁寧にワンダ・ナラに要望を伝えたうえで、「夢を信じる父親より」と締めくくった。
この手紙は、ワンダ・ナラとイカルディの心を打った。そして2人は親子の夢を叶えることにしたのだ。それも、ただ自分の姿を見せるだけでなく、自身が買い占めているサン・シーロのVIPシートで、隣同士で試合を観戦するという文字通りの“神対応”で。試合もインテルの勝利に終わり(2-0)、少年にとっては一生に一度の思い出となっただろう。
サンプドリア時代に先輩マキシ・ロペスの妻だったワンダ・ナラを寝取ったと騒がれ、アルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナから「裏切り者」と罵られて、この一件のために代表チームに定着できないと言われて久しいイカルディ。だが、少年のために、そして息子を想う父親のために一肌脱いだ今回の行動には、イタリア・メディアからも賛辞が寄せられている。
ワンダ・ナラは2月12日、ツイッターにある写真と手紙を掲載した。写真には、笑顔でイカルディと記念撮影している男の子。右ほほに「フォルツァ(がんばれ)、インテル」と書いている。手紙はその小さなサポーターの父親がワンダ・ナラに宛てたものだった。
父親によると、7歳の息子は「一日中」イカルディのことを話し続けるほどの大ファン。そこで、父親は「生ヒーロー」を息子に見せてあげようと、インテルの試合に連れていくことを計画した。
経済情勢が厳しい近年のイタリアでは、少ない給与の一部をサッカー観戦代に回す余裕がない家庭も少なくない。今回の主役一家も、似たような状況なのかもしれない。父親は「小さくない犠牲を払って」、2月12日のエンポリ戦のチケットを買ったという。
7歳の少年は、指折り数えて試合を楽しみにしていたに違いない。父親も、そんな息子を見て微笑んでいたことだろう。ところが、そんな親子に衝撃的なニュースが届いた。前節ユベントス戦における審判とのいさかいから、イカルディに2試合の出場停止処分が科されたのだ。
インテルは異議を申し立てたが、10日にこれも却下され、イカルディはエンポリ戦に出られないことが確定した。父親は「このままでは息子にイカルディを見せてあげられない」と焦ったことだろう。そして、おそらくは藁にもすがる思いで、ワンダ・ナラにメッセージを送った。
「どうにかして息子の夢を叶えてあげてくれないだろうか。あなたの大事なマウロのことを、ただひとりのヒーローと思っている7歳の子どもの夢を。息子に彼を見せることができず、その夢を叶えられないなんて、私は心から苦しいんだ」
父親は「何千ものリクエストがあるだろうことは分かっている」、「心から感謝し、面倒をかけて申し訳なく思う」と、丁寧にワンダ・ナラに要望を伝えたうえで、「夢を信じる父親より」と締めくくった。
この手紙は、ワンダ・ナラとイカルディの心を打った。そして2人は親子の夢を叶えることにしたのだ。それも、ただ自分の姿を見せるだけでなく、自身が買い占めているサン・シーロのVIPシートで、隣同士で試合を観戦するという文字通りの“神対応”で。試合もインテルの勝利に終わり(2-0)、少年にとっては一生に一度の思い出となっただろう。
サンプドリア時代に先輩マキシ・ロペスの妻だったワンダ・ナラを寝取ったと騒がれ、アルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナから「裏切り者」と罵られて、この一件のために代表チームに定着できないと言われて久しいイカルディ。だが、少年のために、そして息子を想う父親のために一肌脱いだ今回の行動には、イタリア・メディアからも賛辞が寄せられている。