DFBカップ・ベスト８の最後の椅子を懸けたドルトムント対ヘルタ・ベルリンの一戦は、延長戦でも決着が着かず、PK戦の末にドルトムントが準々決勝進出を決めた。
 
　試合は27分にカルーのゴールでヘルタが先制するも、ドルトムントは後半開始早々（47分）にロイスが決めて同点に追い付く。その後はドルトムントがチャンスを作りながらも決め手を欠いたが、ホームの利を活かしてPK戦を３-２で制した。
 
　右MFとして先発したヘルタの原口は、96分までプレー。試合後には、「PKは仕方ないので。ヘルタとしては120分間、やることをやったと思いますし、最後は誰も責められないので……」と悔しがった。
 
「自分たちはうまく対応できていたと思うし、先制点を取ったところまではホントにプラン通り」と振り返ったように、ハーフタイムに入るまでは理想の展開で試合を進めていたが、同点を許した後は、なかなかチャンスを作り出すことができなかった。
 
　自身は試合を通して献身的にピッチを走り回ったが、56分にカルーのパスを受けてシュートを放ったシーン以外は特に目立ったプレーを見せることができなかった。
 
「落ち着いてプレーできていたと思うし、カウンターの起点にはなれていたので、できればもう１個前でプレーしたいし、そういうボールが出てきてほしかったですけど、なかなか出てこないので……。そこは、チームとしてもっと改善していかないといけないところ」
 
　こう反省した原口だが、自身の調子は上がっている。昨年末から今年に入っての数試合ではベンチスタートが続いていたが、これで公式戦２試合連続の先発出場を果たした。
 
　ダルダイ監督が延長戦に入るまで交代を待ったことからも、再び原口が信頼を取り戻したことが窺える。この調子を維持すれば、再びヘルタにとって欠かせない選手になるはずだ。
 
　一方、ドルトムントの香川はベンチ入りするも出場はなし。この試合では延長戦に突入したため、４人目の交代が認められたが、攻撃的な選手のなかでは唯一声がかからなかった。
 
　これで、今年の初戦となったブレーメン戦で先発フル出場して以来、公式戦３試合連続で出番なしとなった。
 
　先週末のRBライプツィヒ戦と全く同じメンバーで臨んだドルトムントだが、この試合でトゥヘル監督は守備的な役割のヴァイグルと攻撃的な役割のゲレイロという２ボランチを採用。後半途中からゲレイロに代わってカストロが入り、香川は３番手という位置付けになった。
 
　しかし、120分を戦い、来週にはチャンピオンズ・リーグを控えていることから、週末の最下位ダルムシュタット戦では多少のメンバー入れ替えも予想される。そこでチャンスを得て、再びアピールしたいところだ。
 
現地取材・文：山口 裕平
 
◎DFBカップ・準々決勝進出チーム
ハンブルク、アルミニア・ビーレフェルト、バイエルン、ボルシアMG、シュポルトフロインデ・ロッテ、シャルケ、ドルトムント、フランクフルト