ベンチメンバーへの配慮を欠いたバッカの言動。
それは、見るに堪えないシーンだった。いや、“無礼”という言い方が一番ぴったりかもしれない。
2月5日のミラン対サンプドリア戦(セリエA23節)。サン・シーロで実際に、そして後ほどもう一度映像で確認したところでは、大体のいきさつはこうだ。
72分、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、カルロス・バッカをジャンルカ・ラパドゥーラと交代させた。1点ビハインドのチームが、FWを入れ替えてオフェンスをテコ入れする――。サッカーの世界では常套手段と言える、よく見るシチュエーションだ。
しかし、バッカは下げられたことが、どうしても納得いなかった。ピッチを出てベンチに戻る途中、モンテッラの声かけを無視し、コートを手荒に扱い、その後はベンチで長いこと監督への不平を口にしていた。
バッカが公衆の面前で不満を爆発させたのは、何もこれが初めてではない。セリエAではここまで17試合で先発してきたが、フル出場は4試合のみ。サンプドリア戦で3戦連続の途中交代だ。
しかし、それも致し方ない。ここまでセリエAでチームトップの8ゴールを挙げているが、そのうち6ゴールが7節までに奪ったもので、中盤戦以降は明らかに調子を落としている。このサンプドリア戦もまるで存在感がなかった。
監督への態度も悪かったが、それ以上に失礼だったのは、ベンチのチームメイトに対してだろう。
バッカがベンチに座った時、すぐそばに本田圭佑がいて、彼は怒りが収まらないFWに二言三言、言葉をかけていた。今にもモンテッラに食って掛かり、汚い言葉で罵りそうなバッカを、落ち着かせようとしているように見えた。
しかし、なだめながらも本田は、心の中でこうつぶやいていたのではないだろうか。
「カルロスはピッチにまるで出られない選手の気持ちをどう思っているんだ?」
それとほぼ同じことを、モンテッラも試合の後の会見で言っている。
「バッカにはもっといろいろ考えてもらいものだ」
0-1で試合に敗れたことと同じくらい、チームに大きなダメージを与える出来事だった。バッカはその後、「あの時は頭に血が上っていた。僕が間違っていたよ。監督の決定は尊重しなければいけない。みんなにはディナーをおごる」と謝罪したが、過去は誰にも消し去れない。
2月5日のミラン対サンプドリア戦(セリエA23節)。サン・シーロで実際に、そして後ほどもう一度映像で確認したところでは、大体のいきさつはこうだ。
72分、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、カルロス・バッカをジャンルカ・ラパドゥーラと交代させた。1点ビハインドのチームが、FWを入れ替えてオフェンスをテコ入れする――。サッカーの世界では常套手段と言える、よく見るシチュエーションだ。
しかし、バッカは下げられたことが、どうしても納得いなかった。ピッチを出てベンチに戻る途中、モンテッラの声かけを無視し、コートを手荒に扱い、その後はベンチで長いこと監督への不平を口にしていた。
バッカが公衆の面前で不満を爆発させたのは、何もこれが初めてではない。セリエAではここまで17試合で先発してきたが、フル出場は4試合のみ。サンプドリア戦で3戦連続の途中交代だ。
しかし、それも致し方ない。ここまでセリエAでチームトップの8ゴールを挙げているが、そのうち6ゴールが7節までに奪ったもので、中盤戦以降は明らかに調子を落としている。このサンプドリア戦もまるで存在感がなかった。
監督への態度も悪かったが、それ以上に失礼だったのは、ベンチのチームメイトに対してだろう。
バッカがベンチに座った時、すぐそばに本田圭佑がいて、彼は怒りが収まらないFWに二言三言、言葉をかけていた。今にもモンテッラに食って掛かり、汚い言葉で罵りそうなバッカを、落ち着かせようとしているように見えた。
しかし、なだめながらも本田は、心の中でこうつぶやいていたのではないだろうか。
「カルロスはピッチにまるで出られない選手の気持ちをどう思っているんだ?」
それとほぼ同じことを、モンテッラも試合の後の会見で言っている。
「バッカにはもっといろいろ考えてもらいものだ」
0-1で試合に敗れたことと同じくらい、チームに大きなダメージを与える出来事だった。バッカはその後、「あの時は頭に血が上っていた。僕が間違っていたよ。監督の決定は尊重しなければいけない。みんなにはディナーをおごる」と謝罪したが、過去は誰にも消し去れない。