【天皇杯決勝】決勝ゴールの背景に苦悩の日々。ファブリシオの知られざる真実

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年01月01日

「鹿島のために完璧な仕事ができたと言えばそうではない」

見事な決勝ゴールを決めたファブリシオ。写真:徳原隆元

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[天皇杯決勝]鹿島2-1川崎/2017年1月1日/吹田S 

【天皇杯決勝PHOTO】鹿島 2-1 川崎|ファブリシオ弾で鹿島が今季二冠&通算19冠を達成
 
 延長前半、川崎を突き放すゴールを決めた直後、ファブリシオはまず「家族」のことを思い浮かべたという。苦しい時も支えてくれた家族がいたからこそ、今の自分があると信じているからだろう。このブラジル人アタッカーはこの決勝弾については素直に喜んでいた。
 
 しかし、この半年間を振り返ると満足な仕事ができたわけではない。16年7月にポルトガルのポルティモネンセから期限付き移籍で加入したファブリシオだが、Jリーグやクラブワールドカップでは結果らしい結果を出せず、むしろ苦しい日々を過ごした。
 
「(この半年間で)自分の特長、サッカースタイルを出せなかった。鹿島のために完璧な仕事ができたと言えばそうではない。(鹿島に来る前は)5年間ヨーロッパでプレーしており、そこからスイッチを切り替えるのは大変だった。サッカースタイル、戦術的規律もまったく違う。戸惑いはありました」
 
 つまり、環境の違いがファブリシオを苦しめた一因だったわけだ。
 
「ブラジルからヨーロッパのクラブに行った時も5か月間ぐらいは戸惑いました。どこに行っても、そういうことはあります」
 
 ただ、それでも鹿島で挫けずに頑張ってこられたのはチームメイト、スタッフなどのサポートがあったからである。
 
「動き方、パスコースの限定のやり方など、通訳を通じてアドバイスしてもらいました。みんなが私のことを気にかけてくれて。できることもあれば、できないこともありましたが、いろんなものを吸収するうえでこの5か月間は貴重な時間だった」
 
 そう話すファブリシオの表情からはポジティブな雰囲気が伝わってきた。
 
「献身的に取り組んできたご褒美が、今日のゴールだった。素直に嬉しい。最後の最後でチームのためになにかを果たせたのかなと。今はすっきりした気分でいます」

12月22日発売号の特集は「日本サッカー2017年の予言書」。巻頭インタビューでは大迫選手が鹿島アントラーズについても語ってくれています。

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