クラブワールドカップ決勝で鹿島アントラーズがレアル・マドリーと熱戦を繰り広げた前日の12月17日、東南アジアでは２年に一度同地域のナンバーワンを決める「スズキカップ」の決勝が行なわれていた。大会を制したのは、前回大会に続く５度目の優勝を果たしたタイである。このタイ代表の躍進ぶりをFIFA公式サイトが伝えている。
 
「地域での成功がタイのホープたちを押し上げる」と題した記事では、現役時代に“タイのジーコ”の愛称を持ち、代表最多出場と最多得点の記録を持つキャティサック・セーナームアン監督に率いられたタイ代表のここ１か月の戦いぶりと注目選手を紹介。タイは現在、ワールドカップアジア最終予選でグループ下位に沈んでいるが、この結果は必ずしも彼らの実力を正確に反映したものではないとしている。
 
　スズキカップ優勝から遡ること４週間前、タイは日本の宿敵ともいえるオーストラリアに２-２のドロー劇を演じた。今予選での初の勝点を奪った試合が、「セーナームアンの快進撃」を呼び、東南アジアのライバルたちを力の差を見せつける内容で次々に撃破。決勝ではインドネシアとのアウェー戦で１-２と不覚をとったものの、ホームで底力を見せつけ２-０と勝利し、２戦合計３-２でスズキカップ連覇を達成した。
 
　記事では、セーナームアン監督がキャプテンをしていた2007年に代表デビューを飾ったエースのティーラシン・デーンダーを筆頭に、決勝で２得点を挙げ“超人ハルク”の異名を持つシロー・チャットーンやスイス人の母を持ちU-17ワールドカップ優勝経験もあるシャリル・シャピュイス（当時はU-17スイス代表）ら将来性豊かなタレントが揃っていることも紹介。アジア最終予選の後半戦開始となる来年の３月シリーズでは、サウジアラビア、日本との連戦となるが、サプライズを起こす可能性は十分にあるだろうと結んでいる。