[天皇杯・準々決勝]FC東京１－２川崎／12月24日／味スタ
 
　最後の最後に川崎ゴールをこじ開けたのは、平山だった。投入されれば何かやってくれそうな期待感を漂わせるこのストライカーは、天皇杯準々決勝の川崎戦でもきっちりと結果を残した。本人は「勝つゴールがいい。負けるとやっぱり、嬉しさはなくなる」と言うが、改めて存在価値を示した得点だった。
 
　しかし、そんな平山はこのオフ、おそらく新天地を求めることになるだろう。「仙台へ完全移籍」という報道を鵜呑みにするなら、FC東京でのキャリアに終止符を打つ可能性が高い。

　結果的に今季のFC東京のラストゴールをマークした平山は、その得点の感想を訊かれてこう答えていた。

「（FC東京では）たくさん怪我もあって。そういう状況でもクラブに支えてもらって。リハビリもして、ピッチに立てるようになったので、プレーで恩返しがしたいという気持ちが強くなった」
 
　「プレーで恩返しをしたい」──。穿った見方をすれば、それは「新天地での決意」と捉えられるだろう。
 
　ただ、今季のFC東京でのラストゲームとなった川崎戦を終えても、平山は冷静なスタンスを崩さなかった。
 
「感慨深いとか、そういうのはないですが、ファン・サポーターにはどんな時も応援してもらっていたので感謝しかないです」
 
　明言こそしなかったが、平山の言葉からは新たなる決意が感じ取れた。

取材・文：白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）

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