優勝候補最右翼の名門が抱く危機感。市立船橋が選手権へ求めるラストピース

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年12月06日

朝岡監督に芽生える強烈な危機感とは?

長らく千葉県では達成されていなかった選手権連続出場を実現した市立船橋。決勝では今夏、全国決勝を争った流経大柏に競り勝った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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「選手権に向けてのウチの伸びシロです」
 
 市立船橋・朝岡隆蔵監督はある選手をこう表現した。その『ある選手』とは、1トップを張る2年生・福元友哉だ。
 
 これまで4-2-3-1を敷く市船の1トップは186センチの村上有、182センチの矢野龍斗の3年生が激しいポジション争いを繰り広げていた。インターハイで全国制覇を成し遂げ、プレミアリーグイースト残留、選手権予選の千葉決勝ではインターハイ決勝の相手・流経大柏を2−1で振り切り、2年連続の選手権出場を果たした。結果を出し続けていることは間違いないが、朝岡監督には強烈な危機感が芽生えていた。
 
「いつも0-0、1-0の試合が多い。しかも、これはこれまでのウチの伝統と言われる堅守を前面に出しての結果では無い。攻撃的なサッカーをやり続けての結果なので、崩れないけど決められないのが現状です。このチームの課題はやはり点を取ることにあります」
 
 原輝綺と杉岡大暉のCBコンビ、ボランチの高宇洋を軸にした守備は、そうそう崩される代物ではない。一方では崩しのバリエーションも抱負で、高と阿久津諒が攻撃のタクトを握り、村上と矢野も高さと強さを活かして、前線で起点を作る。さらに右の真瀬拓海と左の杉山弾斗のサイドバックが高い位置を取って、両サイドから容赦なく切り崩して行き、時には杉岡も積極果敢に攻撃参加をする。守って守ってのサッカーではなく、多彩に崩しにかかって、相手に攻撃の時間を与えないサッカーが展開できる、ハイレベルなチームであることは間違いない。
 
 しかし、点が取れない。選手権までにこの課題を解消するための“ラストピース”として、朝岡監督が白羽の矢を立てたのが福元だった。
 
「走れるし、テクニックもあって、持久性もある。全国で化けてほしい。彼の成長がウチのチーム力の上積みになる。だからこそ、いま彼を使い続けている」
 
 中学時代はFWだったが、高校に入ってからはCBとボランチをこなしていた彼は、10月1日のプレミア15節の流経大柏戦でFW起用されると、選手権予選決勝では1トップのスタメンの座に就いた。そして、予選後のプレミアEASTでも1トップとしてスタメンを張り、12月4日の17節・柏U-18戦では、ついに待望のゴールをマークしている。
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