裏天王山がもたらした両者の覚悟。流経大柏と新潟U-18のプレミア残留争いの行方は?

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年11月29日

選手権予選で敗れた流経大柏の意地がヒシヒシと伝わってきた。

残留争いの直接対決は明暗が分かれた。互いの意地と意地がぶつかり合った好ゲームに。写真:安藤隆人

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 負ければ降格が濃厚となる裏天王山だ。高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの15節を終了し、勝点7で最下位に沈む流経大柏と、勝点8で9位の降格圏内にいるアルビレックス新潟U-18が激突。この試合を含む残り3節で降格圏外の8位・鹿島アントラーズユースまで勝点差が5と6と、ともに現状から抜け出す糸口を見出すためには、絶対に勝たなければいけない一戦だった。
 
 そして、この一戦の結末は、明暗こそくっきりと分かれたものの、両チームにとっては厳しい現実が目の前に突き付けられることとなった。
 
 まずはこの一戦を振り返りたい。立ち上がり、ペースを掴んだのは流経大柏の方だった。「選手権予選決勝で敗れて、相当悔しい思いをしたと思う。この一戦は意地を見せる一戦」と、試合前に本田裕一郎監督が語っていたように、1週間前に市立船橋と選手権千葉県予選決勝を戦い、1点を争う激闘の末に1−2で敗れた流経大柏。選手権を逃し、市立船橋に1勝3敗1分けと負け越しに終わったショックは相当大きなものがあった。
 
 しかし、本田監督の言葉通り、今度はプレミアリーグ残留に向けて、チームとして気持ちを切り替え、『流経大柏魂』をこの戦いで見せなければいけない状況であった。
 
 前半はその意地がヒシヒシと伝わってきた。FW古谷三国、左MF菊地泰智、右MF本田憲弥、トップ下の加藤千尋が軸となり、新潟守備陣を得意の『湧き出る攻撃』で押し込んだ。
 
 しかし、意地があるのは新潟も同じだった。「今年プレミアリーグに初参戦して、いろんなことを学ばせてもらった。このステージには残したい」と入江徹監督が語ったように、昨年、ずっと阻まれ続けていた参入戦を突破し、ようやく掴んだステージをたった1年で手放すわけにはいかない。トップ昇格が決まっているDF長谷川巧が出場停止だったが、怪我から復帰したDF板木蓮を軸に、流経大柏の前への圧力に怯むことなく跳ね返し続けた。
 
 そして、0−0で迎えた後半、徐々に新潟のカウンターが効力を発揮し始めた。流経大柏が若干攻めあぐねている感が出始めた33分、猛攻から左CKを得ると、途中出場のFW小枇ランディが高い打点のヘッドで合わせる。これがバーに当たったこぼれ球を、FW堀航輝がヘッドで押し込んで、新潟が均衡を破った。
 
 この時点で鹿島が青森山田に1−0とリードしている状況だったため、このままいけば降格が決まる流経大柏は、1年生CBの関川郁万を前線に上げてパワープレーに打って出るなど、前線にさらなる圧力をかけたが、新潟の集中力は最後まで切れなかった。
 
 試合はそのまま1−0でタイムアップ。鹿島も1−0で勝利を収めたことで、これにより高円宮杯全日本ユースが東西プレミアリーグに形を変えた元年からリーグに居続けた『オリジナル20』の流経大柏が、来季プリンスリーグ関東への降格が決定した。
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