現地時間11月27日、イングランドのFA所有のトレーニングセンター、セント・ジョージズ・パークで『NIKE ACADEMY MOST WANTED』のグローバルファイナル３日目が開催された。
 
　隠れた若き才能を探す世界規模のスカウトプロジェクトの世界最終予選。勝者はイングランドに本拠を置くプロ養成所『NIKE ACADEMY』へ入寮できる。前回は波田野海（聖和学園卒）が日本人として初めて同アカデミー入りを果たし、それに続けと今回は日本からは白川恵士朗（元柏レイソルU-18／無所属）、西尾翼（東海大学）という今年で19歳になる両MFが参加。33名でしのぎを削った。
 
　最終日のこの日は、まず10時から屋根付きの人工芝ピッチでトレーニング。シュート練習、攻撃のパターン確認、セットプレーチェックなどを行なった。昼食後はミーティングルームで作戦会議。白川と西尾が所属するBチームでは、前日のAチームとの試合映像を見ながら、プレッシングやポジショニングに関する細かい指示が飛んだ。
 
　そして、いよいよ午後はNIKE ACADEMYとの試合（45分１本）。先に対戦したAチームは先制点を奪うが、その後に２ゴールを奪われて惜しくも敗れた。
 
　Bチームは白川が右ウイング、西尾がトップ下で先発出場し、NIKE ACADEMYでは波田野がトップ下の一角でスタメン。日本人トリオの共演が実現した。
 
　白川は前日に戦ったAチームよりも格段に厳しいプレスに苦しみ、本人いわく「パスコースがなかった」。16分と22分の仕掛けはフィニッシュに繋げられずに終わり、西尾からのクロスをダイレクトボレーで狙った25分のシュートも枠を捉えられず。29分に交代を命じられた。
 
　西尾は積極果敢なプレスを敢行し、キープやオフ・ザ・ボールの動きもまずまず。白川が下がったあとは右ウイングに回り、ここでも円滑なパスワークを見せた。ただ、後ろや横へのパスが多いなど、やや“怖さ”が足りない印象が否めなかった。
 
　一方、NIKE ACADEMYの波田野は随所で得意のドリブルを見せながら守備にも奔走し、さらに30分には一瞬の隙を逃さず決勝ゴール。“先輩”としての意地を見せた。
 
　試合後、コーチ陣たちが約１時間の選考ミーティングを開催。一人ひとりがNIKE ACADEMYのジョン・グッドマン監督の待つ部屋に呼ばれ、合否が伝えられた。
 
　結果、合格したのはエンソ・サウベージ（フランス／FW）、マックス・コンラド（ドイツ／DF）、アレクサンデル・パンチェンコ（ロシア／DF）、エリック・トブマスヤン（ロシア／DF）、チハン・サイダム（トルコ／DF）の５人。白川と西尾はいずれ落選した。