ゲームでより存在感を見せたのは白川か。
現地時間11月26日、イングランドのFA所有のトレーニングセンター、セント・ジョージズ・パークで『NIKE ACADEMY MOST WANTED』のグローバルファイナル2日目が開催された。
隠れた若き才能を探す世界規模のスカウトプロジェクトの世界最終予選。勝者はイングランドに本拠を置くプロ養成所『NIKE ACADEMY』へ入寮できる。前回は波田野海(聖和学園卒)が日本人として初めて同アカデミー入りを果たし、今回は日本からは白川恵士朗(元柏レイソルU-18/無所属)、西尾翼(東海大学)という今年で19歳になる両MFが参加。33名でしのぎを削る。
2日目は10時からのピッチトレーニングでスタート。ウォーミングアップ後、4対1のパス回し、パスゲーム、スペースを区切ったパスゲーム、7対7のハーフコートゲームなどのメニューを消化した。練習中にはナイジェル・アドキンス(元サウサンプトン監督/前シェフィールド・U監督)が見学に訪れ、選手たちを激励した。
午後はまず、2チームに分かれて戦術確認や交流会を開催。白川と西尾が入るBチームの指揮官を務めるドイツ人コーチは、「チーム」と「コミュニケーション」の重要性を何度も説き、選手たちがまだ互いの名前を覚えていないとみると声を荒げるシーンもあった。
目標を聞かれた西尾が「言葉が通じない部分はあるが、精一杯コミュニケーションを取ってチームとして戦いたい。チームのために僕は走る」と力強く語った際には、チームメイトから大きな拍手が起こった。
その後、スタメン発表と簡単な戦術確認をした後、18時からAチーム対Bチームで試合(20分3本形式)。日本人の両者がいるBチームがAチームを圧倒し、合計5-0で圧勝した。
白川は1本目で4-2-3-1のトップ下に入り、ファーストタッチだった5分にいきなり左足でミドルシュート。無回転気味に飛んだボールは、GKの上を越えてゴールネットに突き刺さった。その後も、長短のスルーパスやヒールパスを通すなど随所でセンスの良さを見せ、Bチームの攻撃に変化を付ける。
守備の貢献度を含めて、インテンシティーやアグレッシブネスといった点には大きな不満が残り、相手のチャージを受けて右膝を痛めた状態で右ウイングに入った2本目はややボールに絡む機会が減ったが、最大の武器である左足のテクニックと創造性は十分にアピールできたと言っていいだろう。
観戦していた『NIKE ACADEMY』の面々からもそのプレーに感嘆の声が挙がり、波田野も「面白い選手。一緒にプレーしてみたい」と称賛。本人も「1点目のミドルは狙っていたし、自分の良さは出ていた。トップ下はやりやすいです」と手応えを口にした。
一方の西尾は、1本目は左ウイングで先発。タイミングの良いパスカットから味方のフィニッシュを引き出せば、絶妙なワンツーや積極的なオフ・ザ・ボールの動きも見せ、ドイツ人コーチからも「君のプレーは気に入っている」と褒められたという。
ただ、ボランチに入った2本目はボールに触る機会が減り、本人も「チームを気にしすぎてしまって、不完全燃焼です。守備は良かったですが、攻撃ではあまり納得がいくプレーができなかった。無難なプレーが多かったので、もっとクリエーティブなプレーがしたかったです」と反省を口にした。
現地時間11月27日はいよいよセレクション最終日。白川は「右膝は正直なかなか痛いですが、あと1日なので気合いで頑張ります」、西尾は「ドリブルやパスなどで仕掛けて、ゴールに絡む仕事がしたい」と意気込む。
“日本代表”として世界に挑む19歳コンビは、それぞれの個性を発揮し、『NIKE ACADEMY MOST WANTED』入寮を果たせるのか。注目したい。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
隠れた若き才能を探す世界規模のスカウトプロジェクトの世界最終予選。勝者はイングランドに本拠を置くプロ養成所『NIKE ACADEMY』へ入寮できる。前回は波田野海(聖和学園卒)が日本人として初めて同アカデミー入りを果たし、今回は日本からは白川恵士朗(元柏レイソルU-18/無所属)、西尾翼(東海大学)という今年で19歳になる両MFが参加。33名でしのぎを削る。
2日目は10時からのピッチトレーニングでスタート。ウォーミングアップ後、4対1のパス回し、パスゲーム、スペースを区切ったパスゲーム、7対7のハーフコートゲームなどのメニューを消化した。練習中にはナイジェル・アドキンス(元サウサンプトン監督/前シェフィールド・U監督)が見学に訪れ、選手たちを激励した。
午後はまず、2チームに分かれて戦術確認や交流会を開催。白川と西尾が入るBチームの指揮官を務めるドイツ人コーチは、「チーム」と「コミュニケーション」の重要性を何度も説き、選手たちがまだ互いの名前を覚えていないとみると声を荒げるシーンもあった。
目標を聞かれた西尾が「言葉が通じない部分はあるが、精一杯コミュニケーションを取ってチームとして戦いたい。チームのために僕は走る」と力強く語った際には、チームメイトから大きな拍手が起こった。
その後、スタメン発表と簡単な戦術確認をした後、18時からAチーム対Bチームで試合(20分3本形式)。日本人の両者がいるBチームがAチームを圧倒し、合計5-0で圧勝した。
白川は1本目で4-2-3-1のトップ下に入り、ファーストタッチだった5分にいきなり左足でミドルシュート。無回転気味に飛んだボールは、GKの上を越えてゴールネットに突き刺さった。その後も、長短のスルーパスやヒールパスを通すなど随所でセンスの良さを見せ、Bチームの攻撃に変化を付ける。
守備の貢献度を含めて、インテンシティーやアグレッシブネスといった点には大きな不満が残り、相手のチャージを受けて右膝を痛めた状態で右ウイングに入った2本目はややボールに絡む機会が減ったが、最大の武器である左足のテクニックと創造性は十分にアピールできたと言っていいだろう。
観戦していた『NIKE ACADEMY』の面々からもそのプレーに感嘆の声が挙がり、波田野も「面白い選手。一緒にプレーしてみたい」と称賛。本人も「1点目のミドルは狙っていたし、自分の良さは出ていた。トップ下はやりやすいです」と手応えを口にした。
一方の西尾は、1本目は左ウイングで先発。タイミングの良いパスカットから味方のフィニッシュを引き出せば、絶妙なワンツーや積極的なオフ・ザ・ボールの動きも見せ、ドイツ人コーチからも「君のプレーは気に入っている」と褒められたという。
ただ、ボランチに入った2本目はボールに触る機会が減り、本人も「チームを気にしすぎてしまって、不完全燃焼です。守備は良かったですが、攻撃ではあまり納得がいくプレーができなかった。無難なプレーが多かったので、もっとクリエーティブなプレーがしたかったです」と反省を口にした。
現地時間11月27日はいよいよセレクション最終日。白川は「右膝は正直なかなか痛いですが、あと1日なので気合いで頑張ります」、西尾は「ドリブルやパスなどで仕掛けて、ゴールに絡む仕事がしたい」と意気込む。
“日本代表”として世界に挑む19歳コンビは、それぞれの個性を発揮し、『NIKE ACADEMY MOST WANTED』入寮を果たせるのか。注目したい。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)