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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十七「『健全な試行錯誤』を重ねるスペイン代表。日本代表はどうか?」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年11月18日

旬の素材を集めて最高の料理を作るのがロペテギのスペイン。

「公正な競争」が機能している現在のスペイン代表。黄金時代は陣容を変えて第二章を迎えるのか。前・世界&欧州王者の今後が注目される。写真はイングランド戦でのアドゥリス。 (C) Getty Images

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 失墜した権威を取り返すべく――世界王者として挑んだ2014年のブラジル・ワールドカップはグループリーグ敗退、欧州3連覇を目指したEURO2016でも戴冠はならず――、スペイン代表はフレン・ロペテギ監督に招聘し、新たなスタートを切っている。
 
 2008年から2016年までチームを率いた前任のビセンテ・デルボスケは、チームをマイナーチェンジさせてきたものの、主力は顔ぶれが変わらなかった。今回の新監督就任では、世代交代も望まれる。
 
 もっとも、ロペテギ監督は焦っていない。
 
「分け隔てなく、門戸を開放する」
 
 ロペテギは、年齢やキャリアにこだわっていない。古参であれ、新参であれ、若手であれ、コンディションが良く、水準の高いプレーをしている選手をしっかりとスカウティング。「旬の素材」を招集することで、最高の料理を作ろうとしている。
 
「欲しいのはこの食材だけ。それで、この料理しかしない」という頑固さはない。選手同士の競争力を上げることで、チームの活力にしようとしているのだ。
 
 とはいえ、チームとしての基礎は見える。それはロペテギが率いたU-21欧州選手権優勝メンバー(2013年)だ。
 
 直近のロシアW杯欧州予選、マケドニア戦の先発で、それは顕著に表われた。GKダビド・デ・ヘア、CBマルク・バルトラ、ナチョ、SBダニエル・カルバハル、MFチアゴ、コケ、FWアルバロ・モラタと、7人がU-21欧州選手権決勝戦の面子だった。
 
 またロペテギは、「私はイスコのことが好きだし、彼を信じている」と公言し、レアル・マドリーで定位置を確定していない彼を交代で出場させている。監督としての嗜好も隠していない。その点は、清々しいほどだ。
 
 しかし基本的には、コンディション優先で、スカウティングに抜かりはない。
 
 イケル・カシージャスやダビド・ビジャといったベテランも視察して対話。ジエゴ・コスタのように招集が反対される選手も呼び、アンデル・エレーラ、ホセ・マヌエル・レイナ、ファン・マタなど、海外組のスカウティングも熱心に続ける。
 
 セビージャで好調のビトーロに関しては、積極的に抜擢し、目覚ましい結果を出させている。
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