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【蹴球日本を考える】本田、香川の先発落ちとボール支配の劣勢。それでも勝った日本代表の文化が変わりつつある!?

カテゴリ:日本代表

熊崎敬

2016年11月16日

日本代表には「スター選手を外しにくく、若手を使いづらい」特殊な事情がある。

サウジ戦はベンチスタートとなった本田。後半頭から途中出場し、好機にも絡んだが清武、原口らの活躍の陰に隠れた形だ。(C) SOCCER DIGEST

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 サウジアラビア戦の勝利には、ふたつの意味がある。
 
 ひとつは本田、香川、岡崎というベテラン勢を先発から外して、勝利を得たということ。実績か、それとも調子か――。ハリルホジッチ監督は後者を選んで、しっかりと勝点3を手にした。
 
 岡崎はともかく、本田と香川を外すという決断は、ザッケローニもアギーレもできなかったことだ。
 
 従来の日本代表は、このふたりに左サイドの長友が加わった左サイドでの崩しが攻撃の大きな軸となっていた。
 中盤から縦パスを受けた本田が、敵の隙間を覗き込むようにして香川にストンとパスを入れる。その瞬間、大外から長友が駆け上がり、一気にフィニッシュに持ち込む。
 この3人の連係がチャンスの源となっていた。
 
 だが、いまは見る影もない。
 長友も含めて所属クラブでは出番が少なく、日本代表でも長く精彩を欠いている。岡崎、本田、香川が外れるのは国内組で臨んだ東アジア選手権を除けば、昨年3月のチュニジア戦以来となるが、この決断は遅かったくらいだ。
 
 もちろん、実績のある主力を外すのは勇気が要る。とりわけ多くのコマーシャルに出ている本田や香川を外すのは、なおさらのことだ。
 
 ふたりはキリンチャレンジカップのような練習試合でも、当然のようにスタメンに名を連ねてきた。それは代表戦がスポンサーと視聴率を稼ぐキラーコンテンツになっている、日本独特の事情があるからだ。スター選手は外しにくく、若手は使いづらい。
 
 一方、ヨーロッパや南米の国々では、代表チームの練習試合がベストメンバー縛りになることは少ない。それはクラブが主力選手を出したがらないことも含めて、代表チームの注目度が低いからだ。縛りが少ない分、様々な選手を起用できる。
 
 ベテランを外した起用について、ハリルホジッチ監督は次のように述べた。
 
「チームの80パーセントの選手がプレーしていない時期があった。もっと頻繁にプレーしてほしい。本田、岡崎、(香川)真司、全員自分たちのクラブで厳しい状況にあるのは知っている。私はそうした選手にスタメンを取りなさい、スタメンで出られるクラブに行きなさいと言い続けている」
 
 つまり、指揮官はこういうことを言っている。
 
 海外組のブランドに安住するな――。
 
 選手はどこのユニホームを着ていても、ピッチに立たなければ意味がない。ドイツやイタリアで燻っていることを考えれば、たとえJリーグであっても試合に出た方が得るものは多いのだ。
 これを機に出番のない海外組が動き出せば、日本代表は活気づくことになるだろう。
 
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