【藤田俊哉の目】MFが100得点を奪うには? 僕がタイプの違う遠藤保仁に感じた意外な共通点

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年11月15日

遠藤が13人目のJ1通算100ゴール。MFとしては藤田俊哉以来ふたり目!

第2ステージ16節の新潟戦、ホームサポーターの前で100ゴールを達成した遠藤。来季以降、さらに記録を伸ばしていけるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月29日、ガンバ大阪の遠藤保仁が13人目となるJ1通算100ゴールを決めた。ミッドフィールダーを主なポジションとする選手では僕以来2人目の記録達成となった。
 
 試合後、遠藤は「100ゴールを決めた選手たちはJリーグに名を残すような選手ばかりなので嬉しいです」というコメントを残していた。とても光栄なことだし、遠藤がJ1で100ゴールを決めたことで、改めてMFの得点記録がクローズアップされた。どちらかというとゴールはシーズン得点王や最多得点のほうがクローズアップされる。遠藤がこうやって頑張ってくれたおかげで、僕もまた自分の100ゴールを思い出すことができて素直に嬉しい。
 
 自分の100ゴール目はもちろん覚えている。
 
 2007年8月25日。対戦相手は大宮アルディージャ。グランパスのホームスタジアムの瑞穂陸上競技場で、Jリーグ史上4人目、FW登録以外の選手としては史上初のJリーグ通算100得点を達成したけど、当時、すでに100ゴールを決めていたカズ(三浦知良)さん、中山(雅史)さん、ウェズレイの3人は2試合に1点のペースではたどり着けないほどのハイペースでゴールを決めていた(編集部注:カズ=176試合、中山=181試合、ウェズレイ=148試合で記録を達成した)。
 
 それに比べて、僕の場合は404試合もかかったわけだから、4試合に1点のペースになる。いかにカズさんや中山さんがストライカーとして偉大だったか、改めて痛感させられた。
 
 遠藤の場合は、536試合目での記録達成となったという。ペースとしては僕の方が上になるのだろうけれど、主にトップ下でプレーしていた僕と違って、遠藤は主にボランチでプレーしてきた。ゴールに近いポジションでプレーしている分、僕のほうにアドバンテージがあるのは当然のこと。
 
 逆に言えば、本職がボランチのポジションにもかかわらず、100ゴールを決めた遠藤の価値のほうがどれほど大きいことか。
 
 現役時代の僕は、2試合に1ゴールは決められるイメージでプレーしていた。でも、プロ10年目を過ぎてから徐々にゴールを決められなくなってきた。そうなっても100ゴール目はPKで決めたくないっていう自分なりの“こだわり”を持ってプレーしていた。チームメイトも気遣って僕にPKを用意してくれるような空気もあったけれど、そこは頑なに拒否した。流れのなかでゴールを決めることが、自分らしいゴールと考えていたから。そこにはプロ選手としてのプライドもあった。
 
 その点で言えば、遠藤がPKで100ゴール目を決めたことは、とても納得がいくし、そのほうが遠藤らしいとも思う。ワールドカップで直接フリーキックを決めるくらい、彼のキックは素晴らしい。フリーキックで言えば、左は中村俊輔、右は遠藤が日本を代表する選手。彼らを超える名手はまだ出てきていないのも事実だろうし、ことPKに関しては遠藤がいまでもナンバーワン。“コロコロPK“という言葉が生まれたし、彼の冷静で正確なPKは芸術品だよ。
 
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