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【新潟】J1残留は「最低限のミッション」。苦しみ抜いた鈴木武蔵が向かう次なる行き先は?

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年11月03日

「(J1残留という)最低限のことは果たせて、来年につなげられた」

小泉とともに頭を丸めて臨んだ一戦は、得失点差で辛くもJ1残留を果たす。しかし、余韻に浸る間もなく、鈴木は天皇杯の戦いに向かう。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第2ステージ17節]新潟0-1広島/11月3日/デンカS
 
 残留を懸けた大一番、新潟らしいアグレッシブさは見られなかった。レオ・シルバ、ラファエル・シルバ、舞行龍ジェームズを出場停止で欠き、期限付き移籍中の野津田岳人も契約の問題で出場できず。大幅なメンバー変更を強いられ、5バックの守備的な戦術を採ったなか、鈴木武蔵は前線で懸命に戦っていた。
 
 最大のチャンスは、立ち上がりの9分だった。カウンターから右サイドでDFを振り切ってカットインし、ペナルティエリア内に侵入。GKと1対1になったが、左足で放ったシュートはGK正面に飛び、難なく防がれてしまった。与えたくなかった先制点を奪われたあとも身体を張ってボールを収め、周囲と連係プレーを見せようとするも、攻撃の圧力は上がらず。逆に、終盤は広島にボールを回され、「10人でやっているような感覚」(鈴木)で守勢に回った。
 
 鈴木は前半に相手と競り合った際に右足を痛めたというが、そんな素振りは一切見せず、目の前の試合にすべてを注いだ。2012年の残留争い当時、鈴木は18歳のルーキー。そこから4年が経過し、中心選手としての自覚が芽生えたがゆえの意地でもあったのだろう。球際でも最後まで戦い、最少失点で耐え抜いた結果、得失点差で名古屋を上回り、紙一重でJ1残留を果たした。しかし、試合後の鈴木に笑顔はなかった。残留はあくまで、「最低限」の目標でしかないからだ。
 
「あの時(2012年)はまだ右も左も分かっていないような状況でした。でも、今は凄い先輩たちの気持ちも分かる。残留は僕たちが最低限やらないといけないミッションだったので、それが達成できて良かった。ただ……、もっともっとできる部分はたくさんあったと思います」
 
 悔しさとわずかな安堵を覗かせつつ、鈴木の視線はもう、“未来”に向けられていた。
 
「最低限のことは果たして、来年につなげられた。今年のことはもう終わったことで、切り替えて、天皇杯(11月12日開催/横浜戦)に向けて準備しないと。来年(元日)までサッカーをしたいし、サポーターのためにも勝って新潟の強さを証明したい」
 
 チームに本来の姿を取り戻させるため、そして応援してくれるサポーターのために――。鈴木は息つく間もなく次なるミッションに向かう。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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