【名門探訪】FC東京U-18|個の成長と未来を見据え、邁進する夏の王者

カテゴリ:高校・ユース・その他

藤原夕

2016年10月21日

勝利を掴むためのイロハとは

通算5度の全国大会優勝を誇る名門、FC東京U-18。確固たる育成ポリシーの下で、数多の才能が磨かれてきた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ユース年代きってのタレント集団だ。しかもチームとしての一体感があり、勝利への執着心も半端ではない。夏のクラブユース選手権を制し、にわかに脚光を浴びるFC東京U-18。その独自のポリシーと強さの秘密に迫る。
 
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 2012年にコーチとしてスタッフに加わり、2年前から指揮を執るのが、佐藤一樹監督だ。就任当初に掲げたスローガンは「積み上げの継続と歴史の継承」。自身の指導哲学とともに、クラブカラーを受け継いでいくことを意識したという。
 
「もともとFC東京には真摯にサッカーに向き合う気質があると感じていました。泥臭く、本当に一生懸命に、謙虚に、そしてアグレッシブに戦う。そういったものを継承していこうと考えていました」
 
 志向するサッカーも、トップチームのエッセンスを汲み入れながら「基本を大事にしてサッカーの原則を徹底する」ものだ。ハードワークを要求するのはもちろん、ただ足を動かすだけではなく、メンタル面を含めて、つねに研ぎ澄まされた状態で90分間を戦い抜けるか。攻守の切り替えやボールを奪う、相手を抜きにかかるなど、「局面を圧倒できる『個』。まずはそこを伸ばしていくこと」に、エネルギーを注いでいる。
 
 FC東京U-18は、発足からの17年間に渡る長い歴史のなかで、コンスタントに好成績を収めてきた。いまや強豪としての地位は不動で、当然、選手たちの勝利への欲求も強い。キャプテンを務めるDF蓮川壮大は、みずからのチームを「勝ちにこだわる集団」と称する。
 
 佐藤監督は「プロに近い年代で、勝負にこだわるのは当然のこと。チームが勝つためのイロハを大事にしつつ、個々の成長がチームの総和となってくれば、確実に勝利につながるはず」という考え方を持っている。
 
 ただし、そのアプローチの方法は独特だ。はたして、勝利を掴むためのイロハとは――。
 
「ときにはやりたくないサッカーも平然とできるような……。たとえば雨や強風だったりピッチが荒れている状態で、選手たちは『自分たちのサッカーができないのでは?』と不安になります。けれどもそういった時こそ、僕は『蹴って走ればいいじゃないか。走れるだろう? 相手に負けないスピードもあるだろう?』と伝えます」
 
 勝つためには「やりたくないサッカーをこなせたうえで」、状況を見極め、判断し、自身の力を出し切る術を身に付けなければいけないと、指揮官は考えている。
 
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