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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の九十三「横行する感情的なハリル批判にモノ申す! 公平な評価を下すべし」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年10月20日

日本人選手の特性とも符合せず、視野が狭く一面的。しかし…

悪い点を指摘し、修正を要求するのは大事なことだが、「坊主憎けりゃ――」になってはならない。 (C) Getty Images

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 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選は第4節まで終了したが、日本は2勝1分け1敗で3位に低迷し、厳しい批判を浴びている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に対する嫌悪感が増幅装置になって、混乱は増すばかりだ。
 
 筆者は、ハリルホジッチに関しては就任以来、まだ周囲が浮かれているデビュー戦直後から苦言を呈してきた。
 
 とにかく、スカウティングの点で偏向が強く、日本人選手の特性とも符合していなかった。体脂肪率や走行距離のようなフィジカルデータをやたらと並べ、単純な走力や肉体的な優位を軸に選手を選考するなど、視野が狭く一面的。受け入れがたいものがあった。
 
 先日は、「身長190センチ以上のGKが基準」と“珍説”も披露。GKの大型化を訴えたいのだろう。しかし、日本人の平均身長を無視しているし、現在の代表GKに対する侮辱に近く、そもそも当を得ていない。
 
 なぜなら、世界には190センチ未満でトップレベルのGKはいくらでもいる。クラウディオ・ブラーボ(184センチ)、ケイラー・ナバス(185センチ)、ヤン・オブラク(189センチ)、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(187センチ)、ヘロニモ・ルジ(189センチ)など、枚挙にいとまがない。
 
 長年、マドリーとスペイン代表のゴールマウスを守り続けたイケル・カシージャスに至っては182センチと、西川周作(183センチ)よりも小さいのだ。
 
 掲げるフットボールスタイルによって、「デカくても、キックが下手なGKは要らない」という場合もある。
 
 マンチェスター・シティのGKだったジョー・ハートは長身(196センチ)で空中戦に強いが、身長や肉体的パワーで劣るブラーボによって移籍(レンタル)に追いやられた。それは、ジョゼップ・グアルディオラ監督が、GKにフィールドプレーを求めたからだ。
 
 画一的に、身長を基準にすべきではない。
 
 その発言は、浅はかすぎる。
 
<なんで、そんなことも分からないのか?>
 
 その発想は小才子に過ぎず、リーダーとしては「滅びる典型」と言える。不用意な発言で墓穴を掘り、今や四面楚歌。際どいところまで追い込まれてしまった。11月のサウジアラビア戦で敗れたら、即解任だろう。
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