[ルヴァン杯決勝] G大阪1(4PK5)1 浦和/10月15日/埼玉スタジアム2002
ルヴァンカップ決勝の舞台となった埼玉スタジアムでの選手入場の際、観客席一面を両チームのコレオグラフィが埋めて、まず会場のボルテージが最高潮に達した。まさにホームの雰囲気を作り出した浦和は、優勝カップの左に「2003」、右に「2016」と、13年ぶりのカップウィナーになるという決意を浦和のエンブレムとともに表現。バックスタンドも赤、黒、白で覆われ、メインスタンドでもレッズカラーの小旗が振られた。
一方、反対側のゴール裏を埋めたG大阪サポーターも、ガンバカラーのユニオンフラッグを描き出していた。赤と青、鮮やかなコントラストを成していた。
13年の決勝ではリーグ主導のデザインを拒否し、浦和と柏が国立競技場でコレオグラフィを作成。浦和のカップを掴みに良くデザインが、フランスのサイトで『美しい世界のコレオ10選』に選ばれた。
そんな出来事を含めて、ナビスコカップ決勝の風物詩のひとつとなったコレオグラフィだが、ホームの利を生かした浦和が今回、新たな“領域”に突入したと言えるインパクトのあるデザインを披露。ペトロヴィッチ監督は浦和サポーターについて、「(無冠だと言われてきた)私のことなど、どうでもいい。ずっとタイトルを待っていてくれたサポーターの皆さんのためにも、今日は勝ちたかった」と語っていた。
2014年のリーグ戦で、人種差別的な横断幕を浦和のサポーターが掲げた問題により、Jリーグから無観客試合の処分を受けた。その後、スタジアムではコレオを含めスタンド内でのあらゆる掲出物が一時禁止された。その後、徐々に規制が解かれるなか、サポーターも新たな応援の仕方について模索を続けてきた。
今もなお“ベスト”な応援を探り、試行錯誤が続いているという。ピッチとスタンド一体となって掴んだ2016年のルヴァンカップ。サポーターにとっても“節目”のタイトルとなったことは間違いない。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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