地獄から天国へ――。「手のひら返し」でインテルを取り巻く空気が一変する

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年09月23日

絵に描いたような「手のひら返し」はイタリアの十八番。

イタリア・ダービーで貴重な同点弾を挙げたイカルディは、続くエンポリ戦でも2発。ここまで6ゴールとセリエA得点ランクのトップに立つ大活躍を演じる。(C)Getty Images

画像を見る

 ヨーロッパリーグでイスラエルの無名チーム(ハポエル・ベエルシェバ)に0-2の敗北を喫した先週木曜日(9月15日)、サン・シーロにはインテリスタのブーイングが鳴り響き、気の早いマスコミはさっそくフランク・デブール新監督の解任説をぶち上げたものだった。
 
 ところが、それから3日後の9月18日に同じサン・シーロで仇敵ユベントスに2-1で逆転勝ちし、さらに続く9月21日にもエンポリを2-0で一蹴。インテルの周囲は1週間前とは正反対の明るくポジティブな空気で満たされ、デブール監督にもその手腕を讃える賛辞が降り注いでいる。
 
 たった1週間で地獄から天国へ――。絵に描いたような「手のひら返し」は、イタリアのマスコミとサポーターの十八番である。
 
 ハポエル・ベエルシェバ戦の翌日、デブール監督には手厳しい批判が降り注いだ。開幕から4試合(セリエAが3試合、ELが1試合)の結果は1勝1分け2敗。3バック導入の失敗(キエーボとの開幕戦)にはじまり、試合ごとにシステムとメンバーを入れ替え、しかもELではターンオーバーに失敗しての完敗という試行錯誤の連続に対して、スポーツ紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は一面トップに「インテル、恥ずかしくないのか?」という大見出しを掲げ、「サン・シーロは真っ暗。見るに堪えないインテル。戦術もなければハートもない」と酷評した。
 
 また一般紙『ラ・レプブリカ』も、「デブールを監督に選んだのは大きな過ちだった。次の国際Aマッチウィークまでの5試合で流れを変えられなければ解任は必至。後任候補にはチェーザレ・プランデッリ(元ガラタサライ監督)、ファビオ・カペッロ(元ロシア代表監督)の名前が挙がっている」と書き立てた。
 
 続く週末のイタリア・ダービーの前日には、ハポエル・ベエルシェバ戦の前半だけで交代を告げられ、ハーフタイムのロッカールームで監督と口論したマルセロ・ブロゾビッチが、その懲罰としてベンチ入りのメンバーから外されるというトラブルがマスコミを騒がせた。
【関連記事】
王者ユベントスを撃破! インテルに現われた救世主とは?
【イタリア・ダービー|採点&寸評】イカルディが「ユーベ・キラー」ぶり発揮! 司令塔ピャニッチは機能せず…
欧州蹴球4コマ漫画「GOOD TIMES BAD TIMES」Vol.6:イカルディがデブールの“首”を繋げる
4年で10人の監督…ビジョンの見えないバレンシアにもはや名門の面影はない
『ワールドサッカーダイジェスト』の「エアインタビュー報道」に関して

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ