【ミラン番記者】少しだけ光明を見出した本田に最適のポジションは!?

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2016年09月14日

これほど早く無気力な試合を見せたことは、過去にもなかった。

残り約10分のところで今シーズン初出場を果たした本田。ミランはその後、決勝点を奪われた。 (C) REUTERS/AFLO

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 まだ3試合――。しかし、たったの3試合を見ただけでも、今のミランが、包み直して最初からやり直した方がいい状態なのは明らかだ。
 
 不運にも、ミラン対ウディネーゼという見苦しい試合を観戦してしまった者は、おそらく自分の目をなかなか信じることができなかったのではなかろうか。
 
 ミランは完璧に、振り出しに戻ってしまっている。ここ2シーズンほど、嫌というほど見てきた、動きは鈍く、プレーに知性のかけらも感じられないあのミランに……。
 
 モンテッラの監督就任以降、チームはやっと、まっとうに機能し始めたと思っていただけに、信じられない光景だった。
 
 夏のプレシーズンマッチからここまで、結果はともあれ、モンテッラの手腕は確かだった。しかし今回は、見るべきものは何もなし。空っぽ、完全にブラックアウトだ。
 
 試合翌日のミラネッロでは、これまで何度となく見た光景が繰り広げられていた。練習前、監督が選手を集め、激しく叱責。怒鳴るというよりは、言葉で鋭く切りつけていたと言った方が正しい。
 
 なぜなら、この試合でモンテッラの尊厳と責任は、大きく損なわれてしまったからだ。同じシーンは、インザーギの時も、ミハイロビッチ、ブロッキの時にも見られた。
 
 しかし、今回はこれまで以上に深刻だ。なぜなら、シーズンはまだ始まったばかり。たった270分プレーしただけで、この状況に陥ってしまったのである。
 
 深刻というのは、順位や、シュートミス、失点を指して言っているのではない。問題なのは、選手たちの、そのありえない態度だ。モンテッラが選手たちを叱責したのも、まさにその点である。
 
 またもやミランは、何の正当な理由もなく、無気力な試合をしてしまった。疲れていたわけでも、怪我をしていたわけでも、監督がチームを掌握していないからでもない。それどころか、ほとんどの選手は、モンテッラのサッカーに好感を抱いているはずだ。
 
 監督の説教がひと段落した後、選手のひとりが「確かに監督の言う通りだ」と、自分たちの過ちを認めた。しかし、その和解を試みた謝罪の言葉は、モンテッラに冷たく突き返された。「謝られても、私には無意味だ」と……。
 
 これまで、ほとんどプレーしていない選手、もしくは全くプレーしていない選手にとって、この叱責を受けるのは複雑な気分だろう。彼らには身に覚えがない失態で、監督の大目玉を食らうのだから。本田も、そんな思いを抱えていたかもしれない。
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