近未来のFC東京を支える、トップ昇格内定トリオ。その力量に太鼓判!!

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年09月13日

トップチームの敷居はなかなか高い。

肩を組んでニッコリ笑う3年生トリオ(左から鈴木喜、波多野、岡崎)。近年のFC東京において「3」という昇格数は最多だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 クラブユース界きってのタレント集団だ。首都圏の逸材がこぞって門を叩き、ともに全国レベルのふたつのU-15チームで認められた者だけが、昇格を許される。理想的な育成環境とシステムを誇る、FC東京U-18。名門としての定評は揺るがない。
 
 とはいえ、トップチームの敷居はなかなか高い。意外にもここ数年の昇格実績はシーズンで1名、あるいはゼロなのだ。U-18から慶應大を経てプロになった武藤嘉紀(現マインツ)や、U-15から別ルートで里帰りした丸山祐市(現トップチーム)、廣末陸(現青森山田高、来春の入団内定)のようなケースはあるが、ストレートインの事例は決して多くない。
 
 厳選に厳選を、吟味に吟味を重ねるクラブが、今年は3選手の昇格内定を発表した。単に豊作だったのか。いや、それだけが理由ではない。
 
 196cmのサイズを活かしたセービングと足下の高い技術が魅力のGK波多野豪。球際に滅法強く、長短の精緻なフィードで攻撃への貢献度も高いCB岡崎慎。そして、卓越したプレービジョンを駆使して中盤を牛耳るボランチ、鈴木喜丈。いずれも2種登録選手で、今年は春先からU-23チームに常時招集され、J3を主戦場に戦ってきた。
 
 岡崎は今回の昇格決定を受け、「正直びっくりしました」という。3人ともここまで大きな注目を集めてきたわけではなく、高校2年生を終えた時点で、トップ行きが確実視されていたわけでもない。
 
 ターニングポイントは、4月から挑んだプロの舞台。そこでの切磋琢磨が、成長のスピードを速め、強化サイドへのアピールに繋がったのだ。
 
2種登録でトップチームの練習に参加する、あるいはリザーブチーム同士の練習試合などでは得られないプロの実戦感覚とは、いかなるものなのか。
 
 シーズン開幕からJ3で21試合連続出場を続けている岡崎は、クレバーな守備者との触れ込み通り、分かりやすく説明してくれた。
 
「繊細さ。それに尽きます。身体の向きとか、体重をかける足の方向とか、本当に小さいことなんですけど、そうした一つひとつの違いを肌で感じられた。ボールを奪うか、それともゴールを奪われるか。一瞬の、ぎりぎりの感覚の違いを学びました」。
 
 同じくU-23で16試合に出場している鈴木喜は、J3でのゲームを経験して初めて、「本気でトップに昇格しようと思った」という。「これまでも大学のチームなど格上と練習試合をしたりってのはありましたけど、まるでレベルが違う。いままでで一番成長を実感できました」。
 
 ジュニアチームからFC東京ひと筋の波多野は「僕は試合自体は2試合しか出てませんけど、スピード感とパワーがユースとは比べ物にならない。いい勉強になります」と語った。
 
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