【名古屋】4か月ぶりの勝利に思わず涙。キャプテン田口が語る苦悩とJ1残留へのプラン

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年09月11日

「苦しい4か月を過ごしてきたので、自然と涙が出てきた」。

田口は新潟との大一番でアンカーに入り、ボール奪取を連発。闘莉王に負けじと、キャプテンとしてチームを牽引した。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第2ステージ11節]新潟0-1名古屋/9月10日/デンカS
 
 ジュロヴスキー新監督は、自らが参謀役を務めたストイコビッチ体制時の4-3-3を導入した。初陣の前節FC東京戦ではアンカーはイ・スンヒが務めたが、新潟戦は累積警告で出場停止。攻守にシステムの中核を担うポジションは、キャプテンの田口泰士に託された。

 試合開始直後こそ立て続けにセットプレーを与えてしまったが、田口は全体のバランスを重視しながら、新潟のキーマンであるレオ・シルバにボールを持たせまいとプレッシャーをかける。ミドルゾーンを突破されそうになっても、鋭いチャージやスライディングでボールを狩り、攻撃に転じた。キャプテンの目から見ても、やはり闘莉王の復帰は大きかったという。
 
「後ろから的確な指示を出してくれました。今日はチーム全体が引き締まっていたかなと。チームに必要な選手だと思っていたし、戻ってきてくれて嬉しかった」
 
 序盤の劣勢を切り抜けた後も、名古屋は押し込まれる展開が続いた。ただ、「相手も残留を争う状況だし、ホームで圧力をかけてくるのは分かっていた」(田口)分、慌てずにチーム全体で凌ぎ、川又堅碁が挙げた1点のリードを守り切ることができた。
 
 待望の勝点3を手にした直後、田口の頬をふいに涙が伝った。チームは18試合もの間、勝利から見放され、監督交代の事態にも直面。キャプテンとして、責任を感じていただけに、張り詰めていた緊張が一瞬緩んだのだろう。田口は、最後に勝利を挙げた第1ステージ10節・横浜戦(5月4日開催)からの4か月をこう振り返る。
 
「後半ロスタイムは本当にしんどかったです。苦しい4か月を過ごしてきたので、自然と涙が出てきました。もちろんキャプテンとしての責任も感じています。ひとつ勝っただけですけど、ここまでの苦しさで感極まってしまったのかもしれません」
 
 続けて、「(この4か月で)しわが増えたよ(笑)」、「美容院に行って、『白髪を切って』という回数が増えた(笑)」とおどけた。本人は意図していなかったかもしれないが、言葉の節々からはどれほどのプレッシャーを抱え、苦悩していたかが読み取れる。だからこそ、「一番大事」と語っていた結果(=勝利)を全員でもぎ取れたことに充実感を覚えたに違いない。
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