イタリア人指揮官「彼らは、まだできたと思います」と冗談を飛ばしつつ、真の思惑を語り出した。
J1第2ステージ8節の鳥栖対川崎は、まさにホームチームの思惑どおりの展開となった。完封勝利に貢献した鳥栖の谷口博之は「狙いどおりです。彼ら(川崎)もすごいプレッシャーに感じたんじゃないですかね」と語り、さらにこう続ける。
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「今日はディフェンスラインを結構高く保った。ディフェンスに関しては、監督から細かいところまで教えてもらっているので、それを上手く出せた。特に前からの(守備の)ハメ方などは言われていた」
試合はキム・ミヌのゴールを守り切った鳥栖が1-0で勝利。J1タイ記録の8戦連続弾を逃した川崎の小林悠は「今日は鳥栖のやりたいサッカーに合わせてしまった」と肩を落とした。
この一戦である珍記録が生まれていた。それは“選手交代なし”というもの。通常は交代可能な3枠の内、試合の流れに応じて選手を交代させる。しかし、鳥栖のマッシモ・フィッカデンディ監督はまったく動かなった。その理由を問われると、イタリア人指揮官はまず軽い冗談を飛ばす。
「彼らは、まだできたと思います。チームが機能している間、代えなければいけないというルールはないので、代えませんでした」
その後、「ウチがペースを握ったままやれる、一番のやり方だった」と、“交代なし”の思惑を語り出す。
「DFをひとり増やすというアイデアはなかったです。戦い方が変わってしまうので。疲れている選手を代えて、投入した選手が役割をこなせなかった場合のリスクもあり、今日はデリケートな試合だったので、『動けるならそのままやってくれ』と思い、動きませんでした」