【藤田俊哉の目】一体感があったスウェーデン戦。一方で劇的に評価を上げた選手はなし

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年08月12日

無失点勝利は一体感を持って戦えていた証拠。

途中交代とはいえ、スウェーデン戦でも南野(18番)や浅野(手前)の動きには光るものがあった。それだけにグループリーグで終わってしまうのは残念だ。写真:JMPA/小倉直樹

画像を見る

 日本のメダルへの挑戦が終わった。リオ五輪・グループリーグ第3戦のスウェーデン戦。日本は矢島のゴールで、1-0で勝利して勝点4に伸ばしたものの、コロンビアがナイジェリアに2-0で勝利したため、勝点1及ばなかった。ナイジェリア(勝点6)、コロンビア(勝点5)がベスト8へ進出した。
 
 宿敵・韓国が前回王者のメキシコを破るなど3戦負けなしで首位突破での決勝トーナメント行きを果たした一方、日本はスウェーデンに勝利したとはいえ、大会で残したインパクトという点では、韓国には到底およばない。メキシコを破ったミドルシュートは、チームに勢いを生むだけの力強さがあった。大会屈指のゴールのひとつとして挙げられるだろう。2大会連続のメダル獲得も十分にありえそうだ。アジア最終予選の決勝で、アジア王者の座を競い合った日本と韓国。本番のリオ五輪の舞台では、両者の明暗がくっきりと分かれた。
 
 さて、日本の第3戦・スウェーデン戦に関しては、比較的、日本らしいプレーができていたのではないだろうか。過去2戦、ナイジェリア戦とコロンビア戦の反省を踏まえて、安定した戦いができていた。
 
 実際、ピンチらしいピンチはほとんど見られなかった。初戦のナイジェリア戦から数えると、4失点→2失点→0失点と失点数が減ってきた。90分間を無失点で乗り切った、というのは、チームが一体感を持って戦えていたという証拠だろう。
 
 最終的に、大島のテクニカルな突破から矢島のスライディングシュート、という形でスウェーデンからゴールを奪うことに成功した。後半途中、ピッチに送り出された矢島が結果を残したことで、手倉森監督の采配も当たったことになる。これでグループリーグ突破を果たしていたら、次の試合に期待が持てる内容だっただけに、返すがえすもナイジェリア戦の敗戦が悔やまれる。
 
 さらに残念なのは、この大会で一気に評価を上げた選手が出てこなかったことだ。
 
 過去の大会を振り返っても、最低ひとりは急成長を遂げるもの。4年前のロンドン五輪では大津祐樹がヒーローとなったが、この大会で“ステージを上げた”という選手は見当たらない。
 
 強いてあげるならば、浅野と南野のふたりだろう。やはりこのふたりのプレーのクオリティは高かった。チームに勢いさえ生まれていたら、決勝トーナメントでもっとブレイクした可能性は十分にあった。そのほかでは、大島や遠藤も攻守に効いていたものの、ヒーローにはなれなかった。
 
【関連記事】
【リオ五輪】手倉森監督も男泣き。選手たちが明かす「最後のロッカールーム」
【リオ五輪】初の無失点もGL敗退に責任を感じる植田。「この借りはA代表で返したい」
【セルジオ越後】1位突破の韓国と、TVに無視される“アジア王者”。最後に勝っても慰めにもならないよ
【岩本輝雄のオタクも納得!】3試合で計7ゴール。手倉森ジャパンは見ている人を十分に楽しませてくれた
【リオ五輪】手倉森監督がU-20W杯のアジア予選4連続敗退を悔やむ訳。「今回のプアな失点を防げたかも」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ