【藤田俊哉の目】ミス連発のナイジェリア戦に見えた日本選手の「国際経験」不足

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年08月06日

最終的に1点差に詰め寄ったが、内容的には完敗と言わざるを得ない。

日本はナイジェリアの激しいプレッシャーの前にミスを連発。そのプレーぶりに、藤田氏は国際経験不足を挙げた。写真:JMPA/小倉直樹

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 いよいよリオ五輪が開幕した。日本は開幕戦でナイジェリアと対戦。残念ながら4対5というスコアで大事な試合を落とした。
 
 グループリーグを突破するためには、初戦は絶対に落としたくなかった。その重要性は手倉森監督も理解していて、「メダルを獲得するためにも、ナイジェリア戦は勝たなければいけない」というコメントを何度も口にしていた。
 
 決勝トーナメント進出にはもう負けられない状況となってしまったけれど、気持ちを切り替えて、これから選手たちの底力を見せてもらいたい。
 
 それにしても、ナイジェリア戦での日本は、どうしてあんな大味な試合を見せてしまったのだろうか。
 
 開幕戦ということでナーバスになってしまったのも理由に挙げられるだろうけれど、試合開始6時間半前に現地入りしたナイジェリアの選手たちに比べても、コンディションは格段に上だったはずだろうし、その有利性を考えたら、もっと日本が試合のペースを握ってもおかしくない状況に思えた。実際、そういう見方をしているメディアも多かったし、僕自身も日本が主導権を握るような試合展開をイメージしていた。
 
 ところが、いざ蓋を開けてみたら、展開は予想と違っていた。立ち上がりにナイジェリアに先制点を許すなど、開始11分で2点を取り合う展開になった。手倉森ジャパンのこれまでの戦い方を考えると無失点で試合を進めたかっただろう。
 
 守備をベースにチーム作りをしてきただけに、点を取り合うような展開は、どちらかというと得意ではない。日本のペースに持ち込むためにも、0-0のまま、相手の隙を突いて1点を奪う、というのが、ゲームプランだったはずだ。
 
 2-5と大きくリードされた試合終盤は、ナイジェリアの足が止まったこともあって日本の時間帯になった。最終的に1点差まで詰め寄ることができたけれど、内容的には完敗と言わざるをえない結果だろう。
 
 いずれにせよ、ナイジェリア戦を総括すれば、日本が奪った4得点を評価するよりも、5失点した事実をしっかりと受け止めるべきだろう。なぜ日本は5失点してしまったのか。それこそが最大の問題だ。
 
 聞くところによると、5失点はこれまで一度も経験したことがなく、チームが立ち上がって以来、最多失点だったという。普通では考えられない失点の数を与えてしまったのだから、普通では考えられない問題が起きたということだ。
 
 すべての失点は、自分たちのミスから招いたものばかり。普段では起こり得ないミスを、なぜ犯してしまったのか。観ている側の自分がそう思うのだから、おそらく選手自身も、なぜ起きてしまったのか、現実を受け入れることができないかもしれない。
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