2015-16 欧州日本人選手の通信簿・FW編――岡崎、武藤、ハーフナー、南野etc.

カテゴリ:ワールド

松澤浩三・遠藤孝輔・山口裕平

2016年05月23日

プレミア優勝に貢献した岡崎、怪我で離脱も可能性示した武藤。

リーグ最多の途中交代は、常に全力を尽くしているがゆえのものと捉えられるが、これに満足しない岡崎。マークがきつくなるであろう来シーズンでどれだけ進化を見せるかが楽しみだ。 (C) Getty Images

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岡崎 慎司
レスター(イングランド)
36試合・5得点・2アシスト
 
◎大変よくできました
 
 世界有数のトップリーグでデビューシーズンからレギュラーの座を掴み、さらにレスターの優勝に小さくない貢献を果たした。
 
 開幕直後から2トップの一角を担うと、秋から年始まではライバルのレオナルド・ウジョアにスタメンの座を譲るも、後半戦はエースのジェイミー・ヴァーディーのパートナーとして常時、先発で出場し続けた。
 
 開幕2戦目のウェストハム戦でプレミアリーグ初ゴールを挙げ、1月のFAカップのトッテナム戦では鮮やかなソロゴール、そして3月のニューカッスル戦ではオーバーヘッドで決勝点を決めて、インパクトを残した。
 
 しかし、シーズンを通じて頻繁に得点を重ねることができなかった。
 
 36試合5得点の数字はストライカーとしては物足りず、本人が目標としてきたリーグ戦2桁ゴールには及ばず。さらにフル出場もわずか3試合しかなく、指揮官のクラウディオ・ラニエリ監督から絶対的な信頼を勝ち得られなかった。
 
 それだけに優勝達成までは、重ね重ね「悔しい」という言葉で自分の気持ちを表現。しかし、戴冠直後にはその悔しさを忘れ、チームの一員であることを誇りに思えるようになった。
 
 それでも、5日間という短い期間を経て挑んだ翌節のエバートン戦後には、「嬉しいけど、そこまでの(喜びはなかった)。色々な感情が出たので」とポツリ。さらなる高みを目指す岡崎の2年目が楽しみだ。(松澤浩三)

本場でも十分に通用することを武藤は証明した。キッカー誌の平均採点は3.36(採点は1~6で数値が小さいほど高評価、4が及第点)。 (C) Getty Images

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武藤 嘉紀
マインツ(ドイツ)
20試合・7得点・4アシスト
 
△可もなく不可もなし
 
 悔やまれるのは負傷離脱だ。右膝の外側副側靭帯を損傷し、20節のハノーファー戦を最後に一度もピッチに立てなかった。
 
 戦列を離れるまでのパフォーマンスに目を向ければ、及第点以上の評価はつけられるだろう。ウイングでの起用が予想されたなか、1トップのレギュラーに収まると、14節までに7ゴールと、コンスタントに結果を残した。
 
 11節のアウクスブルク戦で達成したのは、日本人では高原直泰以来となるハットトリックだった。
 
 しかし、マルティン・シュミット監督やドイツメディアが称えたのは、ゴールゲッターとしての働きだけではない。プレスの急先鋒として機能すれば、精力的に動き回って味方のパスコースを広げる。そうした攻守両面での労を厭わない仕事ぶりも評価された。
 
 選手たちのハードワークが戦術の基盤となっているマインツを象徴する存在となり、欧州での確かな一歩目を刻んだ武藤。2年目では、約3分の2を棒に振った今シーズンの鬱憤を晴らすような活躍が期待される。それを実現できる潜在能力を示したのは確かだ。(遠藤孝輔)
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