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【今日の誕生日】4月15日/日本サッカー界の頂点に立つレジェンド――釜本邦茂&楢崎正剛

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年04月15日

男子日本代表の最多得点者は、今なお史上最高のストライカー。

国内外から高く評価され、今なお日本サッカー史上最高のストライカーと称される釜本。彼ほど上手くインステップキックを使える選手は、現在の日本サッカー界にもいないといわれる。 (C) SOCCER DIGEST

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◇釜本邦茂:1944年4月15日生まれ 京都府京都市出身
 
 今夏、ブラジル・リオデジャネイロ五輪に参加する男子日本代表。グループリーグの対戦相手も決まり、いよいよ本番モードに入りつつある。これからは、最終メンバー入りを目指し、選手の力の入りようも違ってくるだろう。
 
 前回、ロンドン五輪では準決勝まで駒を進めたものの、3位決定戦では韓国に敗れ、メダルを獲得することはできなかった日本。今回は厳しい戦いが予想されるが、全ての力を出し切って、悲願を達成することはできるだろうか。
 
 90年代にプロ化し、劇的な変化を遂げた日本サッカー界。ワールドカップも自国で開催し、同大会に出場するのも当たり前となった現在だが、それでも五輪では3位入賞を果たした1968年メキシコシティ大会のチームを超えられないでいる。
 
 いまだ燦然と輝く、メキシコでの銅メダル。その原動力となったのが、日本サッカー界最大のレジェンドである釜本邦茂だ。
 
 野球少年は小学生の時にサッカーに転向し、中学生でその能力の片鱗を見せ、山城高校時代には高校選手権で準優勝。早稲田大学時代には、2度の天皇杯優勝に貢献した。
 
 67年に入社したヤンマーでは18シーズンを過ごし、79年からは監督を兼任しながら、3度の日本リーグ優勝、2度の天皇杯優勝を成し遂げた他、自身は251試合に出場して202得点を記録、7度も得点王に輝き、ベストイレブンにも11度選出された。
 
 そんな彼の輝かしいキャリアのなかで、最も名誉ある個人タイトルは、やはり銅メダルを獲得したメキシコシティ五輪における大会得点王だろう。左右の強烈なシュート、空中戦の強さが、世界でもトップクラスであることを証明したのだ。
 
 ワールドクラスのストライカー釜本を生み出したのは、日々の反復練習とイメージトレーニングだった。そして彼のキャリアに強い影響力を与えたのが、高校時代の61年に出会った“日本サッカーの恩人”デットマール・クラマーである。
 
 このドイツ人指導者から薫陶を受けた釜本は、教えに従って基本を見直すとともに、シュート力を磨き、飛躍的に能力を上げた。全盛時には「ブンデスリーガでも十分に通用する。ゲルト・ミュラーと得点王を争うこともできるだろう」と恩師に言わしめたほどだった。
 
 19歳で日本代表デビューを果たし、64年の東京五輪を経て、68年のメキシコシティ五輪へ。この頃には不動のストライカーとして君臨していた釜本は、グループリーグ初戦のナイジェリア戦でハットトリック、準々決勝フランス戦で2得点を記録する。
 
 そして3位決定戦の地元メキシコ相手に、再び2ゴールを挙げた釜本は、巨大なアステカスタジアムで日本の銅メダル、そして自身の得点王を確定させた。
 
 アマチュアであり、日中は社業に勤しむ“社員選手”の偉業に、世界は驚いた。ちなみに大会後、ブラジル代表と戦う世界選抜のメンバーに選出されるも、自身の結婚式のためにこれを断って帰国したというエピソードも残されている。
 
 そんな偉大な選手も、以降、肝炎を患ったり、怪我に苦しんだりして、サッカーの最高峰の舞台であるワールドカップには、残念ながら一度も出場することはできなかった。
 
 代表選手として戦ったAマッチ76試合で挙げた得点は75。これは男子サッカー選手としては、今なお1位である。FIFAの記録では、五輪での成績を含めないため、55得点となっているが、それでも三浦知良(現横浜FC)と並んでトップであることに変わりはない。
 
 84年8月、国立競技場での引退試合で、ペレ、ウォルフガンク・オベラートという世界の名手と戦ってユニホームを脱いだ釜本。引退後は、ガンバ大阪の初代監督を務め、日本サッカー協会副会長、国会議員としても活動し、現在でも日本サッカー界に影響力を誇っている。
 
 メキシコでの栄光から48年が経つが、技術、体力、筋力、判断力など、ストライカーとしてのトータルの能力において、今なお釜本を超える選手は日本サッカーから出現していないといわれている。

写真は71年の代表合宿時(左)。膝の筋肉が凄い。これがバランスの良いプレーを可能にしたのだろう。まさに、努力の賜物である。右は釜本ともに黄金期の日本代表を支えた東洋工業の小城得達。 (C) Getty Images

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早稲田大で2度の天皇杯優勝を成し遂げた。写真は67年、東洋工業を破った後。これが現時点で、大学チームの最後の戴冠である。 (C) Getty Images

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