前後半にビッグセーブを見せたGKチョン・ソンリョンをMOMに選出。
【チーム採点・寸評】
川崎 6
谷口のミスによる失点は誤算ながら、後半は鹿島の猛攻を耐え続けるなど耐久力の向上を感じさせた。一方の攻撃は、形を作ったものの、最後の場面で精度を欠いたか。負けても不思議はない展開だったが、勝点1を拾った点は評価すべきだろう。
鹿島 5.5
序盤からアグレッシブな守備を見せ、ペースを掴む。27分には相手のクリアミスを見逃さず、カイオが先制弾を叩き込む理想的な展開も、36分には裏を突かれて同点弾を決められる。後半は土居の投入で攻撃面に勢いが生まれ、相手を押し込んだが、多くの決定的なチャンスをモノにできなかった。相手のカウンターにはしぶとい対応を見せ、逆転弾は許さず、勝点1を得た。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 7
前半終了間際、遠藤の正確なミドルを横っ飛びで辛うじて触る好守。終了間際の大ピンチでも片手で触るなど、少なくとも2点分を阻止した。
DF
3 奈良竜樹 6
身体を投げ出したスライディングでピンチを凌ぐなど、気迫溢れる守備を披露。後半に凡ミスもあったが、90分を通じての奮闘は評価に値する。
5 谷口彰悟 5
スローインの折り返しをクリアするも、自陣ゴール前にボールを蹴る凡ミス。“逆アシスト”で失点の原因に。その後は冷静さを取り戻した。
17 武岡優斗 6(82分OUT)
カイオと激しい肉弾戦を繰り広げ、球際では五分五分の攻防。攻撃面では、後半に見せたエリア内へのドリブルが最大の見せ場だった。
23 エドゥアルド 6
前線へのフィードはやや正確性を欠いたが、空中戦は高い勝率を誇った。奈良との連係もまずまずで、後半は押し込まれながらも無失点で乗り切った。
MF
14 中村憲剛 6
テンポ良くパスを散らして攻撃のリズムを作り、後半には小林へ“完璧な”スルーパスを通した。正確なキックは最後まで脅威であり続けた。
19 森谷賢太郎 6(46分OUT)
縦横無尽に動いて顔を出し、ボールの運び役として機能。大胆に前線にも上がるなど、大島とは異なる特長を見せたが、決定機は作れず。
18 エウシーニョ 6
“詰めるだけ”の形ながら、田坂―小林のホットラインで作った好機に絡んで同点ゴール。終盤には右SBでもプレーするなど、豊富な運動量は驚嘆すべきもの。
6 田坂祐介 6
浮かした絶妙なパスで小林に合わせ、同点弾の起点に。要所で足もとの技術を発揮したが、後半は絡む回数が減り、怖さが徐々に薄れた。
FW
11 小林 悠 6
巧みな動き出しで昌子の裏を突き、同点弾を演出。後半も質の高い動き出しで鹿島の守備陣を苦しめたが、好機でシュートを打ち切れなかったのは痛恨。
9 森本貴幸 5.5(58分OUT)
前線から全力でボールを追うなど守備での貢献が光った一方、1対1では思うように相手のマークを剥がせなかった。
交代出場
MF
23 エドゥアルド・ネット 5.5(46分IN)
森谷と同じボランチに入るも役割は異なり、後方で捌きながら守備に比重を置き、中村の上がりをサポート。ややボール捌きが単調だった。
FW
13 大久保嘉人 5.5(58分IN)
怪我の影響でベンチスタートも、58分から満を持して出場。ファーサイドでボールを呼び込んで形は作るも、肝心のシュートは少なかった。
MF
22 中野嘉大 ―(82分IN)
中村とのパス交換からチャンスを作り出したが、それ以外はぱっとせず。途中出場ながら、すでに疲弊しているかのように守備の寄せが甘かった。
監督
風間八宏 6
大島や車屋を負傷で欠き、大久保もベンチスタートと苦しい状況のなか、鹿島と引き分けに持ち込んだ。チームは“普段の姿”ではなかったが、勝点1を拾った采配は光る。
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