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【今日の誕生日】3月30日/屈強な守備者たちを圧倒した“タワー”――コラー(元チェコ代表)

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年03月30日

2メートル超の長身ながら、足元でボールを扱うことを好んだ。

それほど跳躍しなくても競り勝ってしまうのだから、やはり高身長は有利!? いや、そんな単純なものではなく、コラーは空中戦におけるポジション取りも上手かったのだ。 (C) Getty Images

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ドルトムント在籍時の02-03シーズン、バイエルン戦でGKイェンス・レーマンが退場となり、さらに交代枠を使い切っていたため、コラーが臨時で守護神を務めて好守を連発。少年時代の経験が活きた!? それにしても、違和感がない。 (C) Getty Images

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◇ヤン・コラー:1973年3月30日生まれ チェコ・プラハ出身
 
 やはりというか、そのキャリアはGKとして始まった。長身の少年の宿命か……。しかし、間もなくFWに転向した彼は、めきめきと頭角を現わし、1994年にスパルタ・プラハでプロデビューを果たした。
 
 身長202センチのヤン・コラーが欧州でその名を知られるようになったのは、96年にベルギーのロケレンに加入してからだった。主力として年々得点数を伸ばし、3年目には24ゴールを挙げてリーグ得点王に輝き、同国の強豪アンデルレヒトに引き抜かれた。
 
 このクラブでもコラーは好調を維持し、在籍2シーズンのいずれもリーグ優勝を果たした他、1年目にはリーグMVPにも選出されるなど、充実の時を過ごした。そして2001年からは、ドイツ・ブンデスリーガの名門ドルトムントへ新天地を求める。
 
 高い得点力を誇る彼はまた、チェコ代表のキャリアも99年からスタートさせた。彼にとって縁起の良いベルギー(ブリュッセル)でのデビュー戦で早速ゴールを挙げ、以後、得点数は飛躍的に伸びていった。
 
 メジャー大会には、3度の欧州選手権(00、04、08年)と1度のワールドカップ(06年)に出場。04年は2ゴールを挙げてチェコのベスト4入りに貢献した。06年は先制ゴールを挙げた初戦のアメリカ戦で負傷。以降の試合を棒に振り、チームはグループリーグ敗退を喫した。
 
 最後の大会となった08年は、グループリーグ3試合に出場して1ゴール。この直後に代表引退を表明したコラーだったが、10年南アフリカW杯予選で苦戦するチェコのために復帰し、09年で今度は本当に代表ユニホームを脱いだ。
 
 クラブに話を戻すと、01年にドルトムントに加入した彼は、1年目で33試合に出場し、11得点を挙げてチームのリーグ優勝に貢献。同シーズンはUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)でも決勝(フェイエノールト戦)進出を果たし、コラーはここでもゴールを挙げたが、試合は2-3で落とした。
 
 5シーズンの在籍期間のうち、3シーズンでチーム最多得点を記録した彼は06年、深刻な財政難に陥っていたドルトムントを離れ、リーグアンのモナコへ移籍。ここからはコンディション不良や調子のピークを過ぎたこともあり、それまでの得点力は鳴りを潜めることとなった。
 
 2シーズン後に加入したドイツのニュルンベルクでは、クラブの2部リーグ降格を防ぐことができず、ロシアのクリリア・ソビエトフを経て、最後は当時フランス3部リーグのカンヌでプレー。10-11シーズンに2桁ゴールを記録し、そのキャリアの幕を閉じた。
 
 チェコ代表としては歴代最多の55得点を決めた彼は、記録にも記憶にも残る選手だった。長身選手揃いの欧州サッカーにおいても、頭ひとつ抜け出た彼は、当然ながら頭で多くのゴールを挙げるも、実はヘディングはあまり得意ではなく、足元でボールを扱うのが好きという側面を持っていた。
 
 この点は、元イングランド代表で現在はプレミアリーグのストークに所属するピーター・クラウチ(201センチ)も同様であり、見た目の威圧感に加え、意外な(失礼!)技術の高さが、世界中のDFたちを震え上がらせてきた。
 
 ところで、バレーボールやバスケットボールの場合、平均身長が2メートルを超えるケースもそう珍しくはないが、サッカーの場合、これほどの長身選手はどれほどいるのだろうか。
 
 欧州主要クラブのトップチームに登録されている選手を調べると、前述のクラウチの他には、サウサンプトンのイングランド代表GK、フレイザー・フォースター(201センチ)、そしてワトフォードのGKコステル・パンティリモン(203センチ)ぐらいだった。
 
 世界中でみれば、相当数がいるだろうし、公証で190センチ後半の選手(欧米では非常に多い)は、実はすでに大台を超えている場合もある(特に成長期にある十代選手は)。
 
 ちなみに、史上最も長身な選手といわれているのは、スタンダールやヘンクなどに在籍したベルギー人GKのクリストフ・ファン・フート、そしてスコットランドのクラブでCFとしてプレーしたポール・ミラーで、ともに208センチを誇る。
 
 日本人の場合、190センチを超える選手でもかなり珍しいと思われるが、そのなかでガイナーレ鳥取の19歳、畑中槙人の身長は驚異の205センチ! デビュー2年目での飛躍が期待されるCFだ。

アクロバティックなプレーも見せるクラウチ。相手DFにとっては厄介この上ない存在だろう。 (C) Getty Images

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史上最も長身の選手といわれるファン・フート。14年には、あのアレッサンドロ・デル・ピエロも在籍したインド・スーパーリーグのデリー・ディナモスでプレーした。 (C) Getty Images

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