【名古屋】シモビッチとは何者か? 開幕戦で結果を残した"規格外FW"の可能性を探る

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2016年03月03日

199センチの高さだけではない。むしろ、地上戦のスキルのほうが際立つタイプだ。

開幕戦で1ゴールと存在感を示したシモビッチ。スウェーデン時代は、ヘンリク・ラーション監督の下で技術を磨いたという。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 磐田との開幕戦で決勝ゴールを挙げ、199センチの長身を活かして前線の起点となり続けたスウェーデン人ストライカーの注目度が急上昇中だ。

 昨季はスウェーデンの名門クラブ・ヘルシンボリに所属し、あのヘンリク・ラーション監督に点取り屋としてのイロハを叩き込まれたという24歳のFWは、公私ともに多面性を持つ魅力あふれる人物である。
 
 まず、プレー面の特徴は、高さよりも、スキルのほうが際立つタイプだ。開幕戦を見た方はロングフィードに競り勝つ姿や強烈なヘディングシュートが印象に残っているだろうが、足下の技術が非常に高く、ポストプレーも巧みだ。

 無駄にこねることはほとんどなく、ほぼ1タッチか2タッチでさばいては、素早く次のポジションを取りに行くムービングタイプのポストプレーヤー。それが、シモビッチ本来の姿だ。
 
 シュートは独特。大きな足と長いリーチをしならせるように放つシュートは、野球で言う“リリースポイントが遅い”に近く、足の振りとボールが飛んでくるタイミングが一致しないため、GKにとっては厄介なシューターと言えるだろう。
 
 スウェーデン時代に蹴っていたFKだけでなく、「頭、右足、左足、ミドルシュート、FK、コンビネーション。ゴールが近ければ、すべてが起こりうる」(シモビッチ)と得点パターンも豊富だと語り、トレーニングを見ている限りは、ボレーシュートも実に正確だ。もちろん、開幕戦で見せたえげつない頭での一撃は、今後も最大の武器となっていくだろうが。

 また、守備を含めた献身性も魅力で、磐田戦でも得点後にエンジンがかかり、精力的なフォアチェックで味方をサポート。総走行距離はチーム3番目の10.484キロを記録するなど、大型選手とは思えないモビリティも兼備することを証明してみせた。

 ちなみに、足の速さもなかなかのもので、カウンターの担い手として期待する向きもあるほどだ。
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