【なでしこ】完全復活を期す岩渕真奈は最終予選のラッキーガールとなれるか

カテゴリ:日本代表

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年02月29日

「オーストラリアは『ボールを取りに来る』守備をしてくるので個人的には好き」(岩渕)

岩渕のドリブルを武器とするプレースタイルは、オーストラリアに対して効果的な一手になるはず。本人も「悪いイメージはないし、自分らしくやりたい」と静かに闘志を燃やす。 (C)JFA

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 2015年のカナダ女子ワールドカップ、準々決勝のオーストラリア戦で岩渕真奈はチームを勝利に導く決勝ゴールを挙げた。それだけに、初戦で激突する相手にも「悪いイメージはない」とプレッシャーをまったく感じさせない。
 
 昨年の岩渕は、怪我に泣かされ続けた。2月に右膝外側側副靭帯損傷し、5月の代表合宿では内側側副靭帯を損傷。8月下旬には外側側副靭帯損傷で手術を受け、3か月近いリハビリを余儀なくされている。所属するバイエルンのチーム練習に合流したのは12月。実戦復帰してまだ日が浅く、佐々木監督はメンバー発表の際に「岩渕のコンディションはベストではない」と言及しており、どれほど負荷に耐えられるのか未知数な部分が多いのは否めない。
 
 それでも、「持ち前の仕掛けやシュート力はワンポイントになる。チャンスメーカーとして活躍してほしい」と指揮官から期待をかけられ、今大会のメンバー20人に名を連ねた。佐々木監督からは「コンディションを上げろ」と発破をかけられているそうで、「自分も上げなきゃいけないと思って、やれることはやっています」と現在の状況を説明する。
 
「(右膝の)コンディションは正直分かりません。でも、自分なりにはドリブルもできていると思います。オーストラリアは自分が一番直近で点を取った試合の相手だし、大きい選手たちが『ボールを取りに来る』守備をしてくるので、個人的には好きですね」
 
 彼女の代名詞でもあるドリブルと切り返しが活きる相手、というわけだ。膝の状態も考えれば、オーストラリア戦はスタメンではなく途中出場での起用が予想されるが、彼女のドリブルは必ずや日本の切り札になるはずだ。
 
「いよいよだなという気持ちと、負けたら終わりというくらいの気持ちでやらないといけないと思っています。得点に絡めるように、チャンスに絡めるように、自分らしくやっていきたい。ゴールを目指して、全員で勝ち切りたいです」
 
 岩渕がオーストラリア戦のみならず、今大会のラッキーガールとなれば、4大会連続5度目の五輪出場も現実のモノとなるになるだろう。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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