「『あいつを使うな』という声とか、自分のなかで消化しきれなかった」(李)
李忠成がシーズンの最終章で最高の状態を維持している。12月26日の天皇杯・準々決勝で、浦和は神戸に3-0と快勝した。1ゴール・2アシストの活躍で、すべての得点に絡んだのが「今年に入ってから、まさかこの年末に調子が最高にフィットするとは思っていなかったけどね」と語る李だった。
22分に興梠慎三へのスルーパスで先制点をアシストすると、25分には柏木陽介のスルーを受けて得意の左足で巻いたシュートを沈めた。44分には、森脇良太のパスを受けて左サイドにつなぎ、走り込んだ武藤雄樹がスルーした後ろから宇賀神が決めた。
3ゴールすべてに複数人が絡むチームの連動性が光ったが、李個人で言えば、一つひとつのパスとシュートの丁寧さが目を引いた。
また、李は32分に神戸の三原雅俊を2枚目のイエローカードで退場に追い込み、数的有利な展開にも持ち込んだ。間違いなく、準決勝進出の立役者だった。
「(興梠)慎三も自分もトップはできるし、武藤もできる。それが、自分が入った時の強み。固定されないからディフェンスも捕まえづらい。試合中に流動的にやっていった」
前線のトライアングルの配置が固定化されないことで、人数を合わせたはずの神戸守備陣は混乱した。それに加え、左利きの李が入ることで攻撃のバランスもより良くなった。
爆発の兆しは見えていた。ちょうど1週間前の19日、浦和はFC東京と一般非公開でのトレーニングマッチを実施した。そこで、65分間のプレーで2ゴール。結果のみならず、プレー内容の良さが際立っていた。
30歳の誕生日に「幸先が良いし、嬉しい誕生日になった。素晴らしい30代にしたい」と話し、上り調子で迎えた神戸戦だった。それだけに、「30歳最初の公式戦で、ゴールもアシストもできて、最高の門出になった」と、晴れやかな表情で語った。
昨季から浦和に加入した李は、難しい時期を過ごしていた。負傷の影響やイングランドのサウサンプトンでしばらく試合から遠ざかっていたこともあるが、彼が「独特」と語る浦和サポーターとの関係性も一因だった。
伝統的に浦和サポーターは、新加入選手が活躍して実力を見せ、その存在を認めてから大きな声援を送る面がある。ミハイロ・ペトロビッチ監督が就任してから続く、広島時代に指導を受けた選手の獲得だったことも少なからず影響したのかもしれないが、加入当初から懐疑的な視線を感じていたことが、李のメンタル面に影を落とした。
「レッズは独特なサポーターたちだし、活躍しなければ受け入れないところがある。『なんだよ!』という気持ちもすごく自分のなかにあった。オウンゴールをしたわけでもないのに、『あいつを使うな』という声とか、自分のなかで消化しきれなかった」
李は、正直なところをそう語った。
22分に興梠慎三へのスルーパスで先制点をアシストすると、25分には柏木陽介のスルーを受けて得意の左足で巻いたシュートを沈めた。44分には、森脇良太のパスを受けて左サイドにつなぎ、走り込んだ武藤雄樹がスルーした後ろから宇賀神が決めた。
3ゴールすべてに複数人が絡むチームの連動性が光ったが、李個人で言えば、一つひとつのパスとシュートの丁寧さが目を引いた。
また、李は32分に神戸の三原雅俊を2枚目のイエローカードで退場に追い込み、数的有利な展開にも持ち込んだ。間違いなく、準決勝進出の立役者だった。
「(興梠)慎三も自分もトップはできるし、武藤もできる。それが、自分が入った時の強み。固定されないからディフェンスも捕まえづらい。試合中に流動的にやっていった」
前線のトライアングルの配置が固定化されないことで、人数を合わせたはずの神戸守備陣は混乱した。それに加え、左利きの李が入ることで攻撃のバランスもより良くなった。
爆発の兆しは見えていた。ちょうど1週間前の19日、浦和はFC東京と一般非公開でのトレーニングマッチを実施した。そこで、65分間のプレーで2ゴール。結果のみならず、プレー内容の良さが際立っていた。
30歳の誕生日に「幸先が良いし、嬉しい誕生日になった。素晴らしい30代にしたい」と話し、上り調子で迎えた神戸戦だった。それだけに、「30歳最初の公式戦で、ゴールもアシストもできて、最高の門出になった」と、晴れやかな表情で語った。
昨季から浦和に加入した李は、難しい時期を過ごしていた。負傷の影響やイングランドのサウサンプトンでしばらく試合から遠ざかっていたこともあるが、彼が「独特」と語る浦和サポーターとの関係性も一因だった。
伝統的に浦和サポーターは、新加入選手が活躍して実力を見せ、その存在を認めてから大きな声援を送る面がある。ミハイロ・ペトロビッチ監督が就任してから続く、広島時代に指導を受けた選手の獲得だったことも少なからず影響したのかもしれないが、加入当初から懐疑的な視線を感じていたことが、李のメンタル面に影を落とした。
「レッズは独特なサポーターたちだし、活躍しなければ受け入れないところがある。『なんだよ!』という気持ちもすごく自分のなかにあった。オウンゴールをしたわけでもないのに、『あいつを使うな』という声とか、自分のなかで消化しきれなかった」
李は、正直なところをそう語った。