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【クラブW杯】世界を驚かす「広島流可変式ボランチ」! “職人”の森崎和幸もスゴイが、青山敏弘が見せた八面六臂の活躍

カテゴリ:ワールド

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年12月11日

代役の丸谷拓也がもう1枚の壁として立ち塞がる。広島のキャプテンはそのフォローもこなす。

森崎和の代役として先発した丸谷(28番)は、最終ラインの前で身体を張り、防波堤になった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 Jリーグの33試合とチャンピオンシップの2試合に出場した守備と攻撃をつなぐ“リンクマン”森﨑和幸が、クラブワールドカップの1回戦オークランド・シティは疲労を考慮してベンチスタートとなった。

【PHOTOハイライト】広島 2-0 オークランド・シティ

 3-4-2-1を採用する広島(と浦和など)で「全員攻撃・全員守備」を実現するため、まさに生命線となるのが、2ボランチの一角だ。ストッパーが攻撃参加して前線に厚みを持たせた時に、その「ボランチ1枚」がスッと下がって穴を埋める。彼が最終ラインに加わり、守備のバランスをコントロールするのだ。

 「ボランチ兼CB」と言っていいかもしれない。が、もちろ守るだけでなく、チャンスと見れば、攻撃にも加わる。実際に今季、森﨑和は攻撃への意識を強めて、チームの攻撃力を高め、自身も約3年ぶりとなるゴールも決めている。

 この日、その「可変式ボランチ」の役割を担ったのが丸谷拓也だった。フィジカルが強く、千葉和彦ら最終ラインの前でもう1枚の壁となって、オークランド・シティの前に立ち塞がった。

 最終ラインの誰かが攻撃参加すれば、彼が最終ラインに入ってフォローする。また、マークについたアルバロにほとんど前を向いて仕事をさせず、状況に応じて183センチの大型CFモレイラにも強烈なチャージを見舞った。

 攻撃面でも、33分には青山敏弘との好連係から密集地帯を抜け出し、ビッグチャンスにも結び付けている。ただし、次第に強まった冷たい雨脚の影響もあり、38分には左サイドをフリーで飛び出した清水航平に対し、思い切ったサイドチェンジを狙ったもののキックミスするなど、展開の面で課題を残した。

 そんななか、決してコンディションが万全でなくても、八面六臂の活躍を見せたのが、もうひとりのボランチの青山だった。

 基本的には丸谷よりも前目でプレーし、オークランド・シティがボールを持てば、必ずCBのビレンにプレスをかけて縦パスを入れさせなかった。そのボールには直接関与していない“隠れた好プレー”は90分間、絶え間なく続けられた。

 さらに気が利いていたのが、出場機会の少ない丸谷へのフォローも欠かさなかった点だ。

 ピンチになりかけると、時には丸谷を追い越してボールホルダーに厳しくチェックに行く。時には丸谷に代わって、CB千葉の前へカバーに入る。臨機応変に、“本家”の森﨑和であり、この日の丸谷のこなす「可変式ボランチ」の役割も担ったのだ。

 終わってみれば、広島はピンチらしいピンチがほとんどなかった。

 森保一監督は「(それぞれの選手が)良いポジションから、次のプレーへアプローチしてくれていた。もっと攻撃的には行きたかったが、怪我人が出た影響もあり、リードしたあとはしっかり対応できたのではないかと思う」と及第点を与えた。

 一方、オークランド・シティのビセリッチ監督は「ラストサード(ピッチを三等分にしたうち、相手ゴール前3分の1のスペース)に入り込めなかった。最初にゴールを決められてしまい、より難しい展開に持ち込まれた」と完敗を認めた。

 いずれのコメントからも、広島の2ボランチが堅実ながらも、試合の明暗を分ける重要な役割をこなしていたかが分かる。

 システマチックに時に5トップになり、時に5バックになる、Jリーグ特有と言われる3-4-2-1システム。広島は1点取ったあと、基本的には5バックで対応しながら、試合の主導権を与えなかった。決して派手さはなかったものの、そのシステムの特長のひとつが発揮された一戦だった。

「Jリーグで3度優勝し、自信を付けている。前回よりも、さらに日本を代表して戦う自覚はある」

 前日の記者会見で語っていた青山は、さっそく開幕戦で有言実行を果たした。
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