キャプテンとして初めて掴んだチャンピオンの座――。２年前の優勝とはひと味違った喜びはあるはずだが、青山敏弘はあくまで「チームでの勝利」を強調する。「今日の結果だけでなく、１年間の結果が今日につながった」。そう切り出したチャンピオンシップMVPは、万感の思いを込めて言葉を紡いだ。
 
【JリーグCS決勝 第２戦 PHOTOハイライト】広島 １-１ G大阪

青山敏弘（MF）
 
――2012、13年の連覇と、今回の優勝の意味合いの違いはありますか？
 
「今年はチームの成長が大きいかなと思います。前の連覇はペトロヴィッチ監督のサッカーが土台にあったけど、今年はそれが大きく変わった。森保監督のサッカーが１年間で非常に大きく成長したと思うので、それは新たな嬉しさがあります」
 
――なかなかリズムに乗れないなかで、どういった声をかけ、どうやって打開していこうと考えていましたか？
 
「前半は非常に厳しかったですし、良くないところも自分自身ありました。ただ、我慢するところは我慢するしかないと思ったし、第１戦（３-２）のアドバンテージがあったので、その心の余裕を持ちながらできました。後半にガンバが落ちるのは分かっていたので、落ちたところで勝負をかけようとも思っていました」
 
――浅野選手がゴールを決めましたが、彼がいつも大舞台で輝きますね。
 
「今年一番成長した選手だと思いますし、ピッチに入ってきた瞬間に雰囲気が変わったとも思いました。彼がボールを持つとなにかやってくれそうな雰囲気があって、やっぱりやってくれましたね。今年は彼なしではチームの成長もなかったと思うので、素晴らしいですね」
 
――キャプテンとして掴んだチャンピオンですが、重みは感じますか？
 
「あんまりキャプテンとしてはないですね。みんなと一緒に掴んだものだと思いますし、自分自身はキャプテンとしてなにかしたことはないので。ただ優勝できたのは非常に誇りに思いますし、歴史に名を刻めたのは誇らしいし、嬉しいです。結果が出るのはすべての選手の成果だし、キャプテンだからというより、選手としてこのチームの一員であることを誇りに思います」
 
――シャーレを最初に掲げてMVPにも輝きました。
 
「みんなで取ったものなのでね。代表して僕が上げさせてもらいましたけど、やっぱり何回やってもいいものです。キャプテンとしては初めてですが、優勝は掴んだものにしか分からない感覚が絶対あるし、この差は非常に大きいと思うので、自分の財産です」
 
――組織力や団結力を強調していましたし、みんなで勝ち獲った感覚が強いようですね？
 
「途中出場の選手が結果を出すのは、チーム力がある証拠。それを示せたと思う。結果がすべてですが、そこに至るプロセスも大事です。このチームは本当に日本で一番練習していると思うし、質も高い。そこの自信はありますね」
 
――サンフレッチェは今回の３度目の優勝で、日本のクラブのなかでの地位を確立したと思いますが？
 
「どうですかね。１年１年勝負していますし。ただ、去年負けたことが今年大きく作用したと思うので、そのリバウンドメンタリティは２回優勝して得たものだと思う。今年それを出せたのは胸を張っていいと思いますが、まだビッグクラブという実感はありません。でも、周りから認めてもらっているのは、自信になります」
 
――クラブワールドカップは２回目ですが、前回とは意味合いが違うのでは？
 
「２回目なので楽しみな部分はありますし、勝負しに行くのは間違いない。日本の代表として、戦い勝ちにいきたいと思います」
 
――シーズンを振り返ると、苦しい時期もあったと思います。
 
「常に危機感を持っていましたね。結果的に良いシーズンでしたが、紙一重でこの試合を落とせばっていう時は何回もあったと思います。連敗もありましたし。でも、その時になにをすべきかをみんなで意思統一して乗り越えられた。そこは過去２回優勝して掴んだものだと思います。そういった意味では、今年優勝できたのは、過去の優勝が優勝を呼んだと思うので、この優勝でまたさらに広島は強くなると思います」